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[技術解説]

英IBMの研究所が開発してOSSに―IoTアプリ開発の敷居を劇的に下げる

IoTに欠かせないアジャイル開発ツール、Node-RED(前編)

2017年11月27日(月)處雅尋(日立製作所、IoT・クラウドサービス事業部、統括主任技師) 中西数樹(日立ソリューションズ、クロスインダストリソリューション事業部、ユニットリーダ) 西山博泰(日立製作所、研究開発グループ、主管研究員)

IoTに取り組む際の問題の1つがアプリケーション開発、具体的には簡単に試行錯誤ができるアジャイル型の開発ツールだろう。その最有力候補としてオープンソースの「Node-RED(ノードレッド)」が関係者の間で注目を集め始めている。ではNode-REDとは、どんな特徴を持つツールなのか。どうすれば利用できるのか?2回にわたり、その実像を解説する。

 様々な機器をネットワークに接続し、情報を収集して活用するIoT (Internet of Things)。今まで困難だったサービスやビジネスを創出できるポテンシャルがあります。例えば製造業では、顧客に納入した自社製品の稼働状態を把握することで故障の予兆を検知し、予防保全する試みが浸透しつつあります。故障を減らせれば顧客満足度を高められますし、その企業にとっても保守の効率化、製品の品質改善など多くのメリットがあります。

 1社だけでなく異業種も含めた複数社がIoTを活用すれば、サービスやビジネスを変革できる可能性が、さらに広がります。自動車本体や車載のドライブレコーダーをネットワークに接続し、そこから得た運転実績情報を基に自動車保険の提案を行うテレマティクス保険のような例がこれに当たります。従来は不可能だったことを可能にするわけですから、IoTに注目が集まり、取り組みを始める企業が増えるのは自然でしょう。

 しかし実際に取り組み始めると、何らかの問題に直面するケースが少なくありません。中でも大きいのがIoTのアプリケーション開発でしょう。実現したいことの仮説はあっても、本当に実現するには試行錯誤が欠かせません。加えて多くの場合、IoTを活用したサービスや製品のリリース後も、新たなデータの組合せによる更なる改善・革新を追求しますから、IoTのアプリケーション開発は必然的に、いわゆるアジャイル方式で進めることが多くなります。

 ところがアジャイル方式による開発は、一般に高度なプログラミング能力が求められ、その分、難度が高くなってしまうのです。しかもIoTアプリケーションの開発では、機器の設計者や事業責任者などが主導的な役割を果たします。彼/彼女らがプログラマやITエンジニアに要望を伝え、アプリケーションを開発・変更するといった非効率的なやり方では、時間がかかるなどうまくいかない確率が高まります。

 この問題を解決するため「Node-RED」と呼ばれるツールが注目を集めつつあります。プログラミング言語を習得する必要がなく、データを活用するプログラムを短期間に開発・改変できる開発環境であり、オープンソース・ソフトウェアとして提供されています。IoTアプリケーションの開発には最適と言えます。そこで2回にわたって「Node-RED」を紹介します。

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