[知っておいて損はない気になるキーワード解説]

足を使った営業はもう古い?「インサイドセールス」

2018年6月28日(木)清水 響子

マイクロサービス、RPA、デジタルツイン、AMP..。数え切れないほどの新しい思想やアーキテクチャー、技術等々に関するIT用語が、生まれては消え、またときに息を吹き返しています。メディア露出が増えれば何となくわかっているような気になって、でも実はモヤッとしていて、美味しそうな圏外なようなキーワードたちの数々を、「それってウチに影響あるんだっけ?」という視点で、分解していきたいと思います。

【用語】インサイドセールス

 何度も社内表彰を受けていた某米国通信大手のオレゴン州担当トップ営業が、実はオアフ島在住と発覚し、大問題になったそうです(友人のパートナーの実話)。結果的に販売実績は認められ、とはいえ社内制度上現在は名実ともにハワイ州担当になったそうですが、どこに住んでいても、お客様を訪問しなくても、売ったのは事実。こうした「訪問しない営業」がインサイドセールスです。営業=外回りの固定概念に縛られず、訪問の有無によって社内、あるいは自宅等から出ずに行う営業の職域や活動をインサイドセールス、訪問営業をアウトサイドセールスと使い分ける組織が増えているようです。

 AIでセールスパーソンと顧客企業をマッチングする米ユニコーン企業・Insidesales.comの調査によると、2017年米国570万営業パーソンのうち47.2%、欧州でも37.1%がインサイドセールス。世界的にも2017年の29%から2018年には30%を上回ると予測しており、「訪問しない営業」は着実に増えています。リアル店舗からECへシフトするBtoC市場ほどではないにせよ、BtoB営業でもデジタルコミュニケーションの比重が高まるなか、無駄な訪問をITとインサイドセールスで代替し、顧客エンゲージメントと営業生産性効率の向上を図る動きが見られます。英語圏ではVirtual Sales、Digital Salesもほぼ同義で使われているようです。

 2017年は、Microsoftがアイルランドを皮切りにシドニー、コスタリカ、東京、中国、インドにインサイドセール拠点を設けて話題になりました。

図1:アウトサイドセールス(上)とインサイドセールス(下)のイメージ:顧客先を訪問しない営業活動を広くインサイドセールスという(実際にはWeb会議等の手段と訪問での会議を使い分けるケースも多い)。特に国土の広い米国などで、訪問に伴う時間とコストの効率化から広まった。
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【イノベーション】現実味を帯びる営業のデジタル化

 インサイドセールスの営業体制やプロセスへの取り入れ方は多様なモデルがありますが、最もわかりやすいアウトサイドセールスとの違いは、営業コストと顧客コストです。移動に伴う時間とコストが削減できる分、顧客コンタクト数や時間を増やせるかもしれません。また運用によっては在宅営業も容易になり、オフィス関連コストも節約可能です。セキュリティ対策等で案外厄介な訪問を受ける側のコストも削減できそうです。他方、内外のコミュニケーション管理が不可欠な分、CMRやSFA、Web会議システムといったIT費用は増加が見込まれます。

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