【Special】

属人化していた業務を洗い出してRPAで自動化
現場での使いやすさでipaSを選択

ipaS導入事例──株式会社 読売IS

2018年10月17日(水)

読売新聞系列の広告会社で新聞折込広告をコア業務とする読売ISは、2017年から業務のRPA化に取り組んでいる。同社の顧客は、地域の個人商店から大手企業まで多岐にわたり、引き受ける仕事も5000枚クラスの小口案件から1000万部以上の大規模案件まで様々である。そのため、折込チラシの配布エリア設定など、顧客ごとに対応すべき内容が多様で、業務が属人化してしまっていた。こうした課題を解決するべく、デリバリーコンサルティングのRPAソフト「ipaS(アイパス)」を導入。パイロットシステムとしてRPAを導入した2つの業務では、いずれも作業時間を90%以上削減することに成功した。

広告主ニーズの多様化が新聞折込の業務に属人化をもたらした
効率化で新事業に使える時間を確保したい

 首都圏の家庭に配られる新聞には、1カ月あたり平均して約400枚の折込広告が入っている。読売ISは、読売新聞系列の広告代理店で、新聞折込広告の業界で全国ナンバーワンの存在だ。年間売上は約760億円(2018年3月期)で、売上の85%を新聞折込広告が占めている。

 新聞折込広告の特徴は、広告主の業種や訴求内容が多種多様なことである。受注件数は、地域の個人商店から大手流通チェーン/大手メーカーまで多岐にわたり、東京圏だけで月間約3000社。案件も、5000枚クラスの小口&ローカル案件から1000万部以上の大規模&全国案件まで様々だ。

社長室 室長 河野大児郎氏

 「新聞折込広告は、案件ごとに求められる内容が異なります。そのため担当者と業務がひも付きやすく、属人化しやすい傾向にあります」と指摘するのは、読売ISでRPA推進プロジェクトの事務局を担う、社長室室長の河野大児郎氏だ。

 実際に、新聞折込広告の配布エリアの設定、マップ作成、大手流通得意先の会員分析など、営業担当者が対応すべき仕事の内容は幅広い。それ故、どうしても業務が個人にひも付いてしまい、担当者でなければ処理できない仕事が増えがちとなる。

 広告主の要望は、集客が期待できるエリアに、最も効果的な内容と枚数で広告を届けることである。また長引く消費マインドの低迷は、広告主の要求を一層細かくした。読売ISの担当者は案件ごとに知恵を絞り、工夫しながら折込広告のクリエイティブ案や配布案を作ることで、広告主ニーズへ対応している。

 広告事業を取り巻く時代背景も、読売ISにとっては課題だ。新聞折込広告の売上は「単価×枚数」で決まるが、デジタルメディアやSNSの普及によって新聞の発行部数が減少し、新聞とともに家庭へ届けられる折込広告の枚数も減っている。「受注件数(手間)が変わらずに、枚数(売上)だけが減っています」(河野氏)。

 これらの課題への活路として読売ISは、新聞折込広告の売上をキープしつつ、それ以外の仕事を増やそうとしている。「個人にひも付いている業務をできるだけ効率化することによって、新しいことにチャレンジする時間を確保できるようになります」(河野氏)。こうして行き着いたのが、RPA導入による業務の効率化である。

現場だけでRPAを運用できる環境づくりが大事
分かりやすいipaSなら現場で使いこなせる

 読売ISがRPAプロジェクトを立ち上げたのは2017年11月のこと。会長と社長を筆頭に、トップダウンで体制を構築した。最大の特徴は、現場の部長クラスが推進マネージャーとなり、各部の取り組みを牽引していることである。推進マネージャーが実際にRPAソフトの操作法を覚え、プログラムの作成を指揮できることが、社内浸透の強みとなっている。

社長室 経営政策部 担当課長 奧畑達也氏

 RPAを全社で展開する上での肝となるのが、プログラムの作成を含めて全て現場で対応できるようにすることだった。河野氏とともにRPA推進プロジェクト事務局を担う、社長室経営政策部担当課長の奧畑達也氏は、「現場だけでRPAを運用できることが何よりも重要です。RPAのシナリオをSIベンダーに都度発注していたら業務を効率化できません」と、その狙いを指摘する。

 導入したRPAソフトは、デリバリーコンサルティング社のipaS(アイパス)。「自動化したい業務は得意先の数だけ存在し、要望も多岐にわたるので、クライアント型でスクリプト作成が比較的分かりやすいipaSは、当社の業務に適合しやすいと考えました」(河野氏)。

 奧畑氏は、最初にipaSのデモ動画を見たとき、「マウスカーソルが勝手に動いているのを見て、本当に人が触っていないのかと不思議な気持ちになりました。実際にipaSを間近で見たときにも、本当に動くんだなと感心しました」と、RPAソフトとの出会いを振り返る。

営業推進本部 営業推進部 部長 堀内直氏

 RPA推進プロジェクトを営業部門の現場で推進している、営業推進本部営業推進部部長の堀内直氏も、RPAが複数のアプリケーションにまたがった操作を自動化できることに感心した。「個々の業務では、Excelや地図システムなど、平均して2~5個のアプリケーションを使っています。これらを横断した操作を自動化できるのは良いと感じました」(堀内氏)。

営業推進本部 営業推進部 推進課 リーダー 中野美咲氏

 堀内氏とともに現場でRPA推進プロジェクトを推進する、営業推進本部営業推進部推進課リーダーの中野美咲氏も、RPAを高く評価する。「Excelのマクロは使っていましたが、複数のアプリケーションを同時に自動化できる仕組みは見たことがなかったので、これは使えると思いました」(中野氏)。

 

ヒアリングシートで業務を洗い出し
作業工程表がRPAスクリプトの設計図に

 RPAを導入する上で重要なポイントは、「どのような煩雑な業務が社内にあるのか」「その中からどの業務をRPAの対象とするか」を検討することである。読売ISでは、「業務の洗い出し」「選定作業」「作業工程表の作成」「スクリプト作成」の4ステップでRPAを導入していった。

 ステップ1の「業務の洗い出し」では、自動化できる業務が社内にどの程度あるのかを、全部門に対してヒアリングシートを使って調査した。各業務の所要時間と発生頻度を調べ、年間の作業従事時間を算出。東京本社で23部門から合計268件の業務が挙がり、業務時間はトータルで年間2万4000時間になった。

 ステップ2の「選定作業」では、RPA化の対象とする業務を選び出した。まず、業務の洗い出しの際に、人間の判断が必要かどうかも取材していたので、人間の判断が必要なものはRPAの対象から除外した。この上で、作業負荷の高い業務から優先して自動化の対象とするように並べ替えた。

 さらに、各業務の詳細と、使用するアプリケーションの情報を元に、事務局と推進マネージャーがRPA化の適否について判断し、(1)RPA化可能、(2)部分的にRPA化可能、(3)RPA化には再取材が必要、(4)RPA化に不向き、の4つに分類した。

 奧畑氏は、RPA化できない業務についても、業務を整理できたことが大きな財産になったと評価する。「業務を整理したおかげで、それぞれの仕事の手順を見直すことができました。工夫できる余地が沢山あると分かったことは、RPA導入の思いがけない効用でした」(奧畑氏)。

 ステップ3の「作業工程表の作成」では、選定した業務の手順を、実際の担当者とともにまとめたものである。作業工程表は、ステップ4の「スクリプト作成」のための設計図となる。作業工程表は、スクリプトの作成において重要であるほか、業務を理解し手順を見直す材料にもなっている。

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