[市場動向]

少量の血液から14種のがんを発見、深層学習を応用、Preferred NetworksとPFDeNAが研究開始

2018年10月29日(月)日川 佳三(IT Leaders編集部)

Preferred Networks(PFN)とPFDeNA(Preferred Networksとディー・エヌ・エー〈DeNA〉の合弁会社)は2018年10月29日、ディープラーニングを活用し、少量の血液で14種類のがんを早期発見する検査システムについて、研究開発を開始した。

 少量の血液で14種類のがんを発見する検査システムを、ディープラーニング(深層学習)を用いて開発する。学習データの元データとして、データ国立がん研究センター(NCC)において提供者の同意を得て研究用に収集した血液検体(NCCバイオバンク検体)と臨床情報を用いる。

図1:少量の血液から14種類のがんを発見するシステムを開発する(出典:Preferred Networks)図1:少量の血液から14種類のがんを発見するシステムを開発する(出典:Preferred Networks)
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 PFDeNAは、NCCバイオバンク検体を個人が特定されない形で取り扱い、次世代シーケンサー(DNAの塩基配列を並列的に高速に読み出せる装置)を用いて、ExRNA(血液などの体液中に存在するRNA)の発現量を計測する。本研究では主に、遺伝子発現を調整する効果を持つ20塩基程度のmiRNA(マイクロRNA)の発現量を計測する。

 一方のPFNは、計測したExRNAの発現量と臨床情報を用い、ディープラーニングによって学習、評価、解析する。これにより、血液中のExRNAの発現量を元に14種類のがんの有無を高精度に判定できるシステムの実用化を目指す。

 本研究の成果は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の承認審査を経るなどした上で、2021年を目標に社会に実装(事業化)し、広く活用されていくことを目指す。これにより、各種がん検診において、少量の血液採取で14種のがんの早期発見ができるようになる。

 背景には、がんが日本人の死因の第1位となっているという状況がある。がんによる死亡者数は年間37万人を超え、増え続けている。日本人の2人に1人はがんを患い、死亡した人のうち3.6人に1人ががんによって亡くなっている。

 この一方で、がんは早期発見することが重要にもかかわらず、日本国内の各種がん検診の受診率は3割程度と、先進国の中でも低水準にとどまっている。がん検診は、がんの種類によって異なる検査方法で体の部位・臓器それぞれを検査する必要があり、精度のばらつきや、検診費用、身体的負担などが課題となっている。

 こうした中、近年ではmiRNAを含むExRNAの遺伝子発現量に着目した研究が多数報告され、各臓器のがんに特徴的に発現するmiRNAが存在していることが分かってきたという。がんに罹患すると体液中で発現しているmiRNAの種類や量が変動するため、簡単に採取できる血液などを使ったがん診断が期待されている。

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Preferred Networks / PFDeNA / DeNA / 深層学習

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