NECは2018年11月13日、PCI Express仕様の周辺機器をイーサネット経由で利用できるようにする技術「ExpEther」(エクスプレスイーサ)について、FPGAに組み込んで短期間で製品を開発できるように、IPコア(回路の設計情報)を同日付けで提供開始した。価格は個別見積もり。販売目標は、産業機器メーカーを中心に今後3年間で30社。
ExpEtherは、PCI Express仕様の周辺機器をイーサネット経由で利用できるようにする技術である。PCI Express通信をイーサネットフレームでカプセル化することによって、パソコンのPCI Expressバスをイーサネットで延長する仕組み。
ExpEtherのメリットは、PCI Expressインタフェースを数キロメートル以上に延長できることである。また、ネットワーク上に接続したPCI Expressのデバイスを、ソフトウェア制御で接続変更できる。さらに、PCI Expressのデータだけでなく、緊急停止ボタンのON/OFF信号や、同期のためのクロック信号、ユーザー独自の信号なども転送できる。
NECは、製品の実装にあたって、PCI Expressとイーサネットを変換する専用のLSIを開発済みである。この専用LSIを搭載した製品として、パソコンのPCI Expressバスにつなぐホストアダプター「ExpEtherボード」と、周辺機器接続用の「ExpEther I/O拡張ユニット」を用意している。
今回NECは、専用LSIを使わずにExpEtherを使えるように、FPGA向けにIPコアを提供開始した。産業機器メーカーは、FPGAに今回のIPコアを適用することによって、ExpEtherの機能を組み込んだ機器を比較的容易に開発できる。

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背景には、税象現場における産業機器は、ネットワークの高信頼性と機器の分散配置が求められる一方で、イーサネットは高信頼通信が課題となっており、PCI Expressは距離延長の対応が課題となっているという状況がある。