[市場動向]

NTTデータ、外資系に倣って高額報酬の人事給与制度を開始、高度スキル人材の確保を狙う

2018年12月4日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

NTTデータは2018年12月4日、デジタルを活用した新しいビジネスを創出することなどを目的に、ビジネスデザインやAI(人工知能)といった専門性の高い人材を年俸制で採用する新しい人事給与制度「Advanced Professional(ADP)制度」を12月に新設したと発表した。人材に合わせて報酬(年俸)を自由に設定したり、業績に応じて報酬を変えたりするなど、トップ人材に対して外資系企業と同等の処遇を実現する。

 NTTデータは、終身雇用を前提とした日本企業的な既存の人事給与制度に加えて、新たに外資系企業の考え方を取り入れた人事給与制度(ADP制度:Advanced Professional制度)を開始した(図1)。狙いは、デジタルを活用した新しいビジネスを創出することなどを目的に、ビジネスデザインやAI(人工知能)といった専門性の高いトップガン人材を外部から確保することにある。

図1:既存の人事給与制度に加えてAdvanced Professional(ADP)制度を新設した。高度スキル人材を市場価値に応じた高額な報酬で確保する。他社の人材やポスドクなどを採用する(出典:NTTデータ)図1:既存の人事給与制度に加えてAdvanced Professional(ADP)制度を新設した。高度スキル人材を市場価値に応じた高額な報酬で確保する。他社の人材やポスドクなどを採用する(出典:NTTデータ)
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写真1:NTTデータで代表取締役副社長執行役員人事本部長を務める柳圭一郎氏写真1:NTTデータで代表取締役副社長執行役員人事本部長を務める柳圭一郎氏
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 新しい人事給与制度であるADP制度の最大の特徴は、「人材の市場価値に応じて報酬を柔軟に設定する」(NTTデータで代表取締役副社長執行役員人事本部長を務める柳圭一郎氏、写真1)ことである。ADP制度の下では、人材が持つスキルや雇用後の業績次第だが、外資系企業のように高額な報酬を得られる。

 報酬は、個別に設定した役割給と、業績に応じて変動する業績給で構成する。業績が低い場合は役割給も下がる。雇用形態は、個人の役割を明確にした形で、単年度契約などの有期雇用契約を基本とする。個人の影響力が大きい職務に就き、短期的な成果を期待する。要望に応じて、契約期間を定めない雇用もあり得るが、この場合、有期雇用契約と比べて報酬は下がる。

 ADP制度で確保するスキルは、上流工程のトップスキルと先進技術のトップスキルである(図2)。上流工程として、経営戦略・社会デザイン、サービス・ビジネスデザイン、業務コンサルなどのスキルを確保する。先進技術として、AI(人工知能)のスキルを確保する。これらのスキルは市場価値が高く、社外に優秀な人材がいる。こうしたトップガン人材の確保を狙う。

図2:ADP制度で確保するスキル。新規ビジネスの設計スキルやAIスキルなどの高度スキル人材を確保する(出典:NTTデータ)図2:ADP制度で確保するスキル。新規ビジネスの設計スキルやAIスキルなどの高度スキル人材を確保する(出典:NTTデータ)
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 一方、先進技術の多くのスキルについては、社内人材の育成によって充足させる。例えば、データサイエンス/アナリティクス、IoT/組み込み、クラウド、ITアーキテクト、セキュリティなどである。現状の業務でこれらの技術に触れていなくても、再教育によってまかなえるとしている。

 ADP制度は、外部人材の確保だけでなく、外資系企業への転職を望む社員に対しても人事給与制度の選択肢の1つとなる。個人のスキルによるが、外資系企業と同等の条件を提示できるとしている。

 デジタルトランスフォーメーションに貢献できる高度スキル人材の継続的な確保の方策として、今後、ADP制度の浸透や生み出される効果が注目される(関連記事:デジタルビジネス従事者と既存のIT技術者、どちらが幸せを感じている?)。

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