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[市場動向]

経産省、2019年2月にブロックチェーンのハッカソンを実施へ

人材流動化促進や研究の信頼性確保をテーマに都内で開催

2019年1月15日(火)田口 潤(IT Leaders編集部)

ここ数年、大きな関心を集めてきた技術の1つがブロックチェーン(Blockchain)だ。しかし実証実験の多さとは裏腹に暗号通貨(仮想通貨)を除くとこれといった実用例がなく、関心が低下してしまう恐れが高まっている。そんな状況に一石を投じようと、経済産業省がブロックチェーンのハッカソン「ブロックチェーンハッカソン2019 」を2019年2月に開催することを決めた。企業にとっても注目する価値があるイベントになりそうだ。

 改竄が困難で信頼性が高く、仲介者を排除できるため取引のコストを下げられるデータ管理・共有技術であるブロックチェーン(図1)。既存のデータ管理システムを置き換えたり、あるいは情報システムやサービスのあり方を変革したりする、文字どおりの“ゲームチェンジャー”であると期待された。ここ数年は世界中の企業や組織が研究開発に注力し、ブロックチェーンがらみのニュースがない日はないほどだった。

図1:ブロックチェーンの仕組み(出典:経済産業省「ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査 報告書(概要)」2016年4月28日)
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 その結果、海外では米ウォルマート(Walmart)が食品トレーサビリティに適用、デンマークのグローバル物流事業者マースク(A.P.Moller-Maersk)とIBMが貿易業務のためのサービス開始といった取り組みが生まれ、日本でも積水ハウスが2019年度の実用化を目指して不動産契約管理システムを開発中といった成果が散見されるようになった。しかし大半はPoC(概念実証)やプロトタイプのレベルにとどまり、企業情報システムに何らかの影響を及ぼすには至っていない。

 米ガートナー(Gartner)は先進テクノロジーのハイプサイクル2018年版において「ブロックチェーンは幻滅期(Trough of Disillusionment)に入った」と位置づけている(関連記事ガートナー、先進テクノロジーのハイプサイクル2018年版を発表、AIの民主化が進む)。ブロックチェーン技術を生かすことへの困難さが顕在化し、企業や組織の間で慎重な姿勢をとる傾向が強くなっていると見ているわけだ。

 とはいっても、ブロックチェーンが幻滅期を経て消えていく運命にあると見る向きはほとんどいない。むしろ「インターネット以来の発明と言われるブロックチェーンは、(斬新さゆえに)普及に時間がかかる。5年、10年の単位で大きな変化をもたらすことは間違いない」(ブロックチェーン推進協議会会長の平野洋一郎氏)といった見方が主流だ。だとすると特に先進的な技術に対して熱しやすく、冷めやすいとされる日本では、いかに幻滅期を短くして啓蒙活動期に到達させるかが重要になる──。

 前置きが長くなったが、こうした問題意識の下、経済産業省が2019年2月に、東京都内でブロックチェーンの応用に関するハッカソンを実施することを決めた(関連リンクhttp://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181227004/20181227004.html)。今年度、同省が進めてきた「国内外の人材流動化促進や研究成果の信頼性確保等に向けた大学・研究機関へのブロックチェーン技術の適用及びその標準獲得に関する調査」事業の一環としての取り組みだ。

 「すでにスタートアップ企業や大手IT企業から問い合わせをいただいています」(経産省産業技術環境局 技術振興・大学連携推進課大学連携推進室で人材育成を担当する山城真理子氏)ということで、2019年1月中旬に参加者の募集を正式に開始する。

●Next:ブロックチェーン普及促進の狙いは

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