[「2025年の崖」に立ち向かうERP刷新プロジェクトの勘どころ]

日本企業の基幹系システムは進化するグローバル経営に後れを取っていないか:第2回

2019年3月20日(水)磯谷 元伸(NTTデータ グローバルソリューションズ 代表取締役社長)

本連載では「2025年の崖」を前に、向こう数年間でERP刷新プロジェクトに取り組む日本企業が直面するであろう課題とその解決策を明らかにしていく。前回、海外拠点へのロールアウトに比べ、日本拠点へのERP導入が難しいこと、そこから垣間見られる国内基幹系システムの問題点を指摘した。今回は「では、なぜ今基幹系システムの刷新が必要なのか」、そして「グローバルERP導入のメリットは何か」についてお話ししたい。

一段上のステージのグローバル化へと進んだ日本企業

 日本企業のグローバル化は、製造業を中心にした先進企業においては1960年代から始まり、1980年代に一気に進んだ。ただし、当時はまずは製品輸出、そして次に工場進出という道をたどるのが一般的だった。しかし、1990年代から始まった欧米における大型M&Aや、2000年代に入って中国・APAC各国が経済成長により魅力的な消費地となったことが、グローバル化の形態に変化をもたらした。

 いまや、多くの日系の大手・中堅グローバル企業が、日本本社・グローバル本社と連携しつつ、各地域リージョンでR&Dから生産、販売機能のフルセットを有する、世界を3~6極に分けたリージョン経営を志すようになってきている。

 まさに、日本企業のグローバル経営形態が、1980年代にスマントラ・ゴジャール(Sumantra Ghoshal)氏らによって提唱されたグローバル型組織からインターナショナル型組織へ、そしてトランスナショナル型組織へと進化してきたのだ。

 一方で、それを支える経営管理基盤、基幹系システムは日本企業のグローバル経営に合わせて、進化し続けてきたのだろうか。トランスナショナル型組織を支えるためには、製品開発・生産・販売、その他さまざまな業務プロセスに対して、密に情報・ノウハウを共有するとともに、世界共通の横串でKPIを設定・可視化できるよう「グローバル最適化」を実現する必要がある。

 ところが多くの日本企業の基幹系システムの実態は、各拠点設立時に簡易的に導入されたシステムやM&Aをした会社の既存システムを温存し、結果的に世界各拠点でバラバラの状態になっているのではないだろうか。在庫管理基準や製品コードの考え方が合っていない、顧客情報もきちんと共有化されていない企業が多いはずだ。これでどうやって、グローバル経営を支えようというのだろうか?

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