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[データマネジメント2019]

デジタル化を実践する上で重要なのは「Why-What-How」――部分最適に陥らないためのプロセスとプラットフォームの在り方とは

2019年4月8日(月)

近年の企業は、業種や企業規模を問わず、デジタル技術を活用したビジネス変革や新事業の創出の取り組みを求められているが、デジタル化に着手する際には、「そもそも何故デジタル化を行うのか?」という点を考慮しなければ部分最適に陥ってしまう危険性がある。「データマネジメント2019」のPivotalジャパンのセッションでは、「待ったなし!のデジタル化 OSSで実現するデジタルプラットフォーム」と題して、デジタル化を実践するうえでのポイントや今求められるデータ分析プラットフォームの要件、Pivotalにおけるアジャイル開発のあり方などを解説した。

デジタル化の推進にあたって重要な「Why-What-How」

Pivotalジャパン株式会社 マーケティングマネージャ 渡辺 隆 氏

「来期の事業戦略テーマとして『デジタル変革』を行うことになったよ。君はデジタル推進室長となり、当社をデジタルで変革してくれ!」
「デジタル変革、ですか? 具体的には……」

 Pivotalジャパンのマーケティングマネージャを務める渡辺隆氏と、シニアデータプラットフォームアーキテクト松下正之氏の講演は、経営層から難題を持ちかけられて困るデジタル担当者の描写から始まった。多少誇張されているとはいえ、こうしたやりとりは身に覚えのある方も多いだろう。渡辺氏は、このやりとりのポイントを「新しい取り組みにおいてはWhy(なぜ自社がデジタル化に取り組まなければならないのかを考えること)とWhat(何をデジタル化すべきなのか)を十分に検討した上でHow(どうやって進めるか)に取り組むことが重要です」と説明した。

 Howというのは、顧客に価値を提供するためのループをすばやいサイクルでまわすことだ。具体的には、正解を見出しにくい「顧客にとっての価値」について仮説を立て、その仮説をすばやくソフトウェアで実装し、市場に投入すること。また、市場の評価を得ながら改善し、柔軟にスケールできる基盤を構築して、複雑な分析を実行し、アクションにつなげていくことだ。

デジタル化の実践において大切な「How」

 Pivotalは、PaaS構築基盤「Pivotal Cloud Foundry」の提供や分析基盤「Pivotal Greenplum」の提供、Pivotal Labsでのリーンやアジャイル開発のノウハウ提供を通じて、企業がこうした一連の改善サイクルを回す支援を行っている。

 Pivotalの支援を受けて成功した事例の1つに米国フォードモーターがある。同社は、コネクテッドカーの機能開発にあたり、Pivotal Labsの支援のもと、コネクテッドカー・アプリ「FordPass」を開発。従来の自動車ビジネスの枠を超えたモビリティ企業への変革の足がかりとした。

 そのうえで渡辺氏は「デジタル変革を実現していくためには、ツールやプラットフォーム、プロセス、文化、組織を考慮し、総合的に取り組みを進めていくことが重要です」と強調した。

顧客とPivotalで2人1組のペアでアジャイル開発に取り組む

Pivotalジャパン株式会社 シニアデータプラットフォームアーキテクト 松下 正之 氏

 Pivotal Labsでは実際にどのような支援を行っているのか。松下氏はプロジェクトチームの作業風景の写真を見せながら、「主にリーンとエクストリームプログラミング(XP)というアジャイル開発のアプローチを採用して、顧客企業といっしょにプロダクト開発に取り組みます」と説明した。

 具体的には、プロダクトマネージャ、デザイナー、デベロッパーという3つのロール(役割)ごとにPivotalと顧客企業とが2人1組でペアを組み、6〜8人のチームで実際に動くソフトウェア(MVP)を開発していく。

「プロダクトマネージャは、プロジェクトチームの代表です。ビジネス要件、リーン手法に基づく優先順位付け、アプリケーションに必要な機能やデザインなどのすべての決定をリードします。デザイナーは、機能の定義にフォーカスし、定義を開発チームのためにUXに変換して共有します。ペルソナの設定やユーザーインタビュー、ユーザーフロー、ワイヤーフレーム・資格デザイン、モックアップ作成などを担当します。デベロッパーは、開発やテストなど、エンジニアリングのすべての側面を担当します」(松下氏)

Pivotal Labsにおける役割と担当作業

 顧客企業は基本的にPivotalのオフィスに常駐し、ペアプログラミングを行いながら1週間単位のスケジュールを3ヵ月間まわし続け、アジャイル開発の手法を身に着けていく。

 また、ツールやプラットフォームはPivotalが提供するPivotal Cloud Foundryなどを活用する。Pivotal Cloud Foundryを利用するメリットは大きく3つあるという。「月あたり数千回のデプロイを可能にするような『スピード』、1200人規模の開発チームを7人の運用担当者でサポートできるような『運用効率性』、セキュリティパッチ適用などの時間を大幅に短縮できる『セキュリティ対策のあり方の変革』の3つだ」(渡辺氏)

Pivotal Cloud Foundryの導入効果

オープンなテクノロジーを活用できるパートナーとの協業が重要

 デジタル変革の取り組みでは、どのようなデータをどう分析し、得られた洞察をどう反映するかという観点が重要になる。そこで求められるのがデータ分析プラットフォームだ。松下氏は、今求められるデータ分析プラットフォームについて「並列処理やデータサイエンス・機械学習、マルチクラウド、アジャイル開発といった用途に対応していることが求められます」とし、こうした要件を満たしながらオープンソースとして開発されているのがGreenplumだと紹介した。

 Greenplumは、シェアードナッシングアーキテクチャという柔軟なシステム拡張が可能なアーキテクチャを備えた超並列プロセッシング(MPP)が特徴のデータ分析プラットフォームだ。物理サーバはもろちん、vSphereやOpenStackによるプライベートクラウド、AWS、GCP、Azureなどによるパブリッククラウドなど、プラットフォームに依存せずに稼働させることが可能で、複雑な分析をデータベース内で高速に処理することができる。SQLを使った操作も可能で、SQLを解析し、最適な並列実行プランを作成して処理する。

「Greenplumを利用すると、デジタル変革の取り組みのなかで、分析ワークロードを稼働させるインフラを柔軟に選択できるようになります。また、最適なコストと性能でインフラを選択することもできます。デジタル変革では、データ分析だけでなく、アプリケーションやプロセスを総合的に考慮することが大切です」(松下氏)

データ分析基盤「Pivotal Greenplum」

 デジタル変革の取り組みでは、ツールやプラットフォームがOSSであることも重要なポイントとなる。今日の多様なデータ分析ニーズに対応するためには、多彩な言語、ソフトウェア基盤との連携が重要であり、オープン技術はそうした連携をしやすくするためだ。

 また、Pivotalでは、Cloud FoundryやGreenplumのほかにも、リアルタイム処理やイベント通知などに利用するPivotal GemFire、分散キャッシングを行うPivotal Cloud Cache、JavaフレームワークのSpringなどを提供する。松下氏は「それらを組み合わせることで、複雑なデータ中心サービスを容易に開発、実行できます」と説明した。

 最後に、渡辺氏は「オープンなテクノロジーを活用できるパートナーとの協業が重要です」とし、Pivotalが企業のデジタル変革を強力に支援できることを訴えた。


●お問い合わせ先

Pivotalジャパン株式会社
URL: https://pivotal.io/jp

 

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