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[データマネジメント2019]

世界140万人以上の技術者の知見が活用できる「Topcoder」の仕組みと先端システムの開発事例

2019年4月16日(火)

「Topcoder」は世界各国の高度IT人材が登録するコンテスト・プラットフォームである。欧米では政府機関や大手製造業、大手ネット企業などが高度なアルゴリズムの開発やビッグデータの分析、分散データ管理といった、自社だけでは解決が困難な問題に対処するためのコミュニティプラットフォームとして活用が進んでいる。そうしたTopcoderを活用したデータサイエンスとリーン開発に関するサービスを提供する企業が、2016年に設立されたTC3だ。「データマネジメント2019」のセッションでは、同社Topcoder事業部 事業部長吉川達郎氏により、Topcoderの日本での活用の概要と、企業・組織における活用事例が解説された。

世界190か国・地域から140万人以上の開発者が参加する技術コミュニティ

TC3株式会社 Topcoder事業部 事業部長 吉川 達郎氏(※「吉」は土に口)

 2001年に設立され、世界190国・地域で140万人以上の開発者やデザイナーなどが参加する「Topcoder」は2つの側面を持つ。1つが、デジタル技術をテーマにコミュニティに参加するメンバーが腕を競い合う競技プログラミングを行う、グローバルな「テクノロジストコミュニティ」、もう1つが企業や組織が参加メンバーのスキルを活用し、新しいサービスの開発やデジタル領域の課題解決を支援してもらう、「オープンイノベーション」を実現するためのコミュニティプラットフォームである。

 Topcoderのコミュニティには大きく「アルゴリズミスト・コミュニティ」「ディベロッパー・コミュニティ」「デザイナー・コミュニティ」の3つがあり、さらに「Swift」「Blockchain」「Watson」等、最新技術に関するサブコミュニティが用意されている。

Topcoderの3つのコミュニティ

 Topcoderで開催されるコンテストには大別して「競技プログラミング」「アルゴリズムコンテスト」「ソフト開発コンテスト」「UI/UXコンテスト」「アイディエーションコンテスト」があり、それぞれの分野において、メンバーが自分自身の得意領域にフォーカスし、成果物の優秀さを競う。基本的には優勝者または上位入賞者に賞金が与えられるほか、参加メンバーのモチベーションを高める仕組みに「レーティング」がある。これは、コンテストで優秀な成績を収めるごとに参加メンバー個人の点数が上がり、かつ、自分の名前がランクに応じて色分け表示され、グローバルに公開される。例えば、Topcoderのランキングにおいて最上位の位置付けとなるのは、赤い色で表示される「red coder」となる。

Topcoderの代表的なコンテスト種類

 TC3 Topcoder事業部 事業部長の吉川達郎氏(※「吉」は土に口)は、「参加メンバーがコミュニティやコンテストに参加するモチベーションは様々だ。コンテストで入賞し賞金を稼ぎたいという人がいれば、自身のスキルを客観的に評価したい、能力を世の中に知らしめたいなど、情熱やプライド、そして楽しみを持った人たちも数多く参加している」と説明する。

「また、Topcoderのランキングは、技術者のスキルを示す客観的な指標としても使われている。これまでもグローバルでGoogleやFacebookなどがリクルーティングを行う際の採用条件として用いていたが、近年では日本企業においても採用時の必要なスキル要件としてTopcoderのレーティングを記載するケースも確認している」(吉川氏)

企業・組織の先進的なシステム開発を支援するTopcoderのコミュニティ

 Topcoderが擁する優れたエンジニアを活用することで、オープンイノベーションを推進する企業・組織も増えている。具体的には、デジタルサービスの開発に際して必要となるプログラムの開発等を、Topcoderのコンテスト課題として提示し、解答となる成果物を募るというものだ。

 吉川氏は、「企業や行政機関がTopcoderを活用する理由には、『最先端テクノロジーを取り扱える』『リーンでクイックな開発が行える』『数多くのオープンイノベーションを創出している』などが挙げられる」と説明する。

デジタルサービス開発の技術コンサルティング、そして実装

ここで吉川氏は、TC3とパートナーシップを結んでいる企業の事例を紹介。その1社が富士通だ。富士通は2019年2~3月に従来のコンピュータでは解を得ることが困難な組み合わせ最適化問題を富士通の量子アニーリングから着想を得た技術である「デジタルアニーラ」で解くコンテストをTC3とともにTopcoderで開催している。

 デジタルアニーラとは、計算量が膨大となるため、従来の汎用コンピュータでは計算が難しい「組み合わせ最適化問題」を解決するコンピュータだ。今回のコンテストはその普及促進と、高難度課題解決の実証実験を目的に開催され、世界140万人以上のTopcoderの登録メンバーが対象となる。具体的には、デジタルアニーラ特有の利用方法をコンテスト形式で習得、解答したい課題を“QUBO”と呼ばれる数式に落とし、Pythonでコーディングする「ラーニングコンテスト」(3回)、デジタルアニーラを使った具体的な高難度課題の解決を行う「マラソンマッチ」(1回)が開催され、2月1日~11日に行われた第1回のラーニングコンテストでは世界63か国から442名の参加者を迎え、210件の成果物が提出されたという。

 また、経済産業省との「中小企業向け成功施策事例集のデジタル化プロジェクト」の事例では、UI/UXデザインコンテスト、フロントエンド・バックエンドのモジュール開発コンテスト等を活用し、リーン開発を実施。6か月のプロジェクトで5,000ユニークユーザー向けのベータ版Webアプリケーションを完成することできたという。

 このほかにも吉川氏からはTopcoderの活用事例として、米国NASAによるビッグデータ解析、コニカミノルタの病理画像セグメンテーション、ソフトバンクによるブロックチェーンを活用した国際募金プラットフォームのプロトタイプ構築などの事例が紹介された。

企業・組織とTopcoderの橋渡しを担うTC3

 このように様々な企業・組織の最先端システム開発の場面において、Topcoderの活用が進められている。そうした企業・組織のTopcoder 活用を支援しているのがTC3だ。

「デジタルサービスを検証したり迅速に開発したりしたい、ビッグデータを活用して新しいビジネスを創出したい。しかし、社内の人材が育つのを待っていられないし、いざ、開発を外部に依頼しようとしても、どこに頼ればよいのか分からない。そうした要望に応えるものとして、Topcoder、TC3がある。TC3は深層学習や量子アニーリングに関する自社プロダクト・サービスを有しているほか、それらを活用するためのソフトウェアリーン開発、データサイエンスに関する技術コンサルティングも展開している。そして、企業の要件や課題に応じてTopcoderのさまざまなコンテストを有効活用できるよう支援している」(吉川氏)

 具体的には、企業とTopcoderのコミュニティの橋渡しとなって、企業の要望に対して参加メンバーのスキルをうまく活用できるようTC3のアーキテクトが技術支援やプロジェクト管理、コンテスト管理を行っているという。吉川氏は、「Topcoderの活用に際しては“協創”の考えが重要であり、我々はお客様、TC3、Topcoderコミュニティが三者一緒になってプロジェクトを推進していける仕組みを提供している。TC3の技術コンサルティングと世界140万人の技術者コミュニティの知見を活用したい方はぜひ私たちに一度声がけしていただきたい」と訴え、講演を締め括った。


●お問い合わせ先

TC3株式会社
Topcoder事業部
TEL:03-5218-0945
E-mail:info@tc3.co.jp
 

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