[イベントレポート]

「膨大なデータを死蔵させず、ビジネスの原動力に」─テラデータがVantageアナリティクス基盤の機能強化を紹介

Teradata Universe 2019

2019年10月24日(木)指田 昌夫(フリーランスライター)

データウェアハウス専業ベンダーから、アナリティクスプラットフォームベンダーへ──顧客のニーズに応える形で自社ビジネスをシフトする米テラデータ(Teradata)が、2019年10月20日から23日まで米コロラド州デンバーで年次コンファレンス「Teradata Universe 2019」を開催した。昨年発表したデータ分析プラットフォーム「Teradata Vantage」の機能を強化し、顧客企業のデータ分析環境を改善する製品とサービスを複数発表。同社が目指す、顧客のデータ駆動型企業への変革を一歩進める内容だった。

「データの山」から解が導き出せないなら、それはただのゴミの山

 標高1600メートルを超える高地である米コロラド州デンバーで開催された今年のTeradata Universe 2019。会場となった同市内にあるコロラドコンベンションセンターの外壁には、なぜか体長12メートルほどもある巨大な、しかも青い熊のオブジェが貼りついている。これは常設のものでテラデータとは関係がないらしい。

写真1:Teradata Universeを外からのぞき込む青い熊はデンバーのシンボル。「データの山」から解が導き出せないなら、それはただのゴミの山だというメッセージだ

 その熊の像を目印にコンファレンスの受付を目指すと、Teradataが現在コーポレートメッセージとして用いている「Invest in Answers(分析の答えに投資せよ)」のコピーと、そのビジュアルであるゴミ廃棄場をイメージした「データの山」のディスプレイが目に止まる(写真1)。

 Invest in Answersは、昨年のTeradata Analytics Universe 2018で打ち出された(関連記事「“製品”ではなく“解”に投資を」―新生テラデータがアナリティクスポートフォリオを刷新)。今回のTeradata Universe 2019では、コンファレンスを通じて、「企業が蓄積してきたデータの9割が利用されていない。また企業のIT予算のうち9割はシステムのメンテナンスに費やされている」といった衝撃的なメッセージが何度も発せられている。

 ちなみに今回の参加者は2000人以上で、参加顧客企業数1000社以上、会期中のセッションは200以上に及ぶ。参加者は、グローバルで活動する大企業のITエンジニアやデータサイエンティストが中心だ。なのに「データが全然活用されていない」というメッセージが飛び交うと、これは大丈夫なのかと思ったりもしてしまう。

 企業の成長にとってデータ活用が最重要課題の1つであることは、多くの経営者へのアンケートでも明らかになっている。事実、企業の時価総額世界ランキングの上位は、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon.com)やBAT(Baidu、Alibaba、Tencent)と呼ばれる米国や中国のメガプラットフォーマーで占められている。「データは産業のオイル」と呼ぶ人も現れ、データを制することこそが競争優位に立つことだと喧伝される。

 一方で、データは企業にとって危険物の一面も併せ持つ。不用意に扱ったり放置すれば、データの持ち主である企業に牙をむくこともある。データの不正流出や漏洩によって大企業のCEOが辞任に追い込まれたり、企業の信用を長年にわたって傷つける破棄力を持っている。確かに、非常に厄介な存在だ。

 はたしてデータは宝か、ゴミか。それともリスクでしかないのか。どちらにしても、多くの企業が「データを何とかしたい」という悩みを抱えているのは間違いない。企業のデータ活用のためのデータウェアハウスを長年販売し、現在はアナリティクスプラットフォームベンダーへとコアビジネスをシフトさせているテラデータにとって、データそのものへの不信が募る状況は、死活問題になりかねない。

 テラデータとしては、アナリティクスやデータマネジメントを知り尽くした専門家として、参加者に、データは使ってこそビジネス価値を生むということを改めて認識してもらい、有効なアプローチをそれぞれの組織に持ち帰ってもらわなければいけない。コンファレンスの入口からデータ活用の実態を示しておくのは、同社の使命からくる、逆説的なメッセージと受け取ってよさそうだ。

Teradataの分析基盤が3大クラウドで利用可能に

 上述したように、テラデータのフォーカスポイントは過去から大きく変わっており、現在注力するのは2018年に発表したデータアナリティクスプラットフォームの「Teradata Vantage」だ。

 Vantageは、同社が元来得意としてきた大量データを高速処理するデータストレージと、高度な機能を備えた分析ソフトウェアという枠を外し、さまざまなデータストレージやアナリティクス/BI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどとの接続を可能にしている点に特徴がある。Vantageを使えば、データがどこにあってもそのデータを調整し、分析に即座に利用できるよう整えることができる、というのが売りだ。

 また、Vantageというソフトウェアプラットフォーム自体が、企業やテラデータのデータセンターで構築されることも必須ではなく、パブリッククラウドのAWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureに置いて分析を実行することができる。これを同社は「Analytics Anywhere」と呼んでいる。世の中に存在するデータ分析の個別製品やサービス、さらにはデータ保存環境を広くつなぎこむことで、「どんなデータも逃さず分析に使う」ことを目指している。

 今回のTeradata Universeでは、昨年示されたVantageのコンセプトを具現化する機能拡張やサービスがいくつも発表された。なかでも大きなニュースは、Google Cloud Platform(GCP)への対応で、2020年にVantageの本番利用を可能にする予定だ。これで、すでに稼働しているAWS、Azureに続き、3大クラウドすべてに保存されているデータに対して、Vantageによる分析が行えるようになる(写真2)。

写真2:Teradata VantageはAWS、Azureに続いて、GCPとの連携もサポートする。EVP/CROのスコット・ブラウン氏が紹介

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