サイバートラストは2023年10月3日、組み込み向けLinux OSの新版「EMLinux 3.0」を発表した。同年10月から提供する。新版では標準形式のSBOMデータの出力に対応した。また、長期サポート対象のソフトウェアパッケージを約3万個に拡充したほか、OSが標準で稼働するハードウェア環境（SoC）環境としてIntel Alder Lake/Raptor LakeやNXP i.MX 8Mなどを追加した。
サイバートラストの「EMLinux」は、社会インフラ向けのオープンソースプロジェクト「CIP（Civil Infrastructure Platform）」をベースにした、IoT用途の組み込み向けLinux OSである。10年以上にわたる長期サポートを提供する（関連記事：サイバートラスト、IoT組み込み用の「EMLinux」評価版を公開、10年以上の長期サポートを提供）。
新版の「EMLinux 3.0」では、ソフトウェアサプライチェーンにおけるセキュリティを強化する目的でSBOM（Software Bill of Materials：ソフトウェア部品表、エスボム）を標準形式（SPDXおよびCycloneDX）で出力できるようにした。利用中のソフトウェア部品を正確に把握することで、ソフトウェア脆弱性のチェックが容易になるとしている。
また、長期サポート対象のソフトウェアパッケージを、従来の約500個から約3万個に拡充した。これらをバイナリパッケージとして提供し、ソースコードをコンパイルすることなく導入が可能になった。一方、ソースコードからのビルドも引き続き可能で、組み込みLinuxに特有の不要な機能の無効化や堅牢性の向上など、各種のカスタマイズが行える。パッケージ管理/ビルドにはBitBakeを利用する。
このほか、OSが標準で稼働するハードウェア環境（SoC：System on a Chip）を拡充。Renesas RZ/G2EやNXP LS1046A、Xilinx MPSoCなどに加えて、Intel Alder Lake/Raptor LakeやNXP i.MX 8Mなどでも動作するようにした。
