[市場動向]

米シトリックスがモバイル軸の新戦略、「例外扱い」から「企業ITの大前提」へ

2013年6月21日(金)栗原 雅(オトムメディア)

米シトリックス・システムズが、企業のワークスタイル変革を促進する新戦略を打ち出した。マーク・テンプルトン社長兼CEO(最高経営責任者)は、2013年5月22日~24日にカリフォルニア州アナハイムで開催したカンファレンス「Citrix Synergy」の基調講演に登壇。各国から集まったユーザーやパートナー6200人余を前に「Go Mobile-モバイルに舵を切ろう」と繰り返し、場所に縛られない働き方の採用を訴えた。

スマートフォンやタブレット端末が普及した今も、「モバイルは多くの企業で例外的な扱いになっている」(テンプルトン社長兼CEO)。情報漏えいや不正アクセスなどセキュリティ面の不安や、既存アプリケーションの改修を含む基盤整備が、大きな壁になっている。こうした壁を打破し、「モバイルファーストで(業務やシステムを)デザインしていけるようにする」(同)狙いで、シトリックスは2つの新製品を発表した。

【写真1】  基調講演に登壇した米シトリックス・システムズのマーク・テンプルトン社長兼CEO(最高経営責任者)

1つは、スマホやタブレットの管理と、それらで動くアプリの管理を担う「XenMobile Enterprise Edition」。管理下のアプリから他のアプリへのデータのコピーを制限したり、アプリの起動時にVPN(仮想プライベート網)による通信を自動で適用したりするセキュリティ機能を持つ。同一機器内の汎用アプリと切り離して業務アプリの動作を制御できるため、個人所有の機器を業務に取り入れやすくなる。既存アプリにコードを1行追加するだけでXenMobileのセキュリティ機能を使えるようにする開発環境も用意した。

もう1つの新製品は、仮想デスクトップ環境(VDI)を構築する「XenDesktop 7」だ。既存の.NETアプリケーションをスマホやタブレットから利用可能にする開発環境の追加と共に、20分でVDIを構築できるようインストーラを改良。サーバーとクライアント間でやり取りするデータの圧縮率も高めた。通信時の使用帯域を従来比50%に減らし、高精細映像であっても、携帯電話の3G回線で遅延や停滞なく閲覧可能だとしている。

【写真2】 カリフォルニア州アナハイムの会場には国内外からユーザーやパートナー6200人超が集まった

もっとも、セキュリティや既存資産の壁を解消したからといって、すぐにモバイルワークスタイルが広がるものではない。オフィスの自席で働く意識が企業に深く根付いているからだ。しかし、潮目が変わる兆しが国内で見えてきたのも事実。日本政府は5月24日にIT総合戦略本部の会議を開き、新たなIT戦略の指針を示した。その中で、2020年にテレワークの導入企業数を2012年度比3倍、テレワーカーの数を全労働者の10%以上にする目標を掲げている。

業務は原則、オフィスでやるもの。そんな思い込みの枠がテレワークの広がりによって外れれば、モバイルワークスタイルの導入機運が一気に高まるかもしれない。

(オトムメディア 栗原 雅)

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