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[ITトラブルの防止と対策]

スルガ銀行とIBM訴訟判決から学べること

2013年7月31日(水)早川 淳一 森永 真人

かつてのようにITベンダが赤字覚悟で開発を請け負い、保守で赤字を取り返すという商習慣はなくなり、プロジェクト単体で採算性を求めるようになった。そうである以上、発注者側も受注者側も厳格な要求定義や工程管理、品質管理等のプロジェクト管理が求められるようになっている。決して目立たないが、ITに関わる訴訟は増え続けている。その原因はどこにあるのか、防止のためには何を行うべきか、また実際にトラブルになりそうな場合、なった場合には何をすればいいのか。シリーズ企画として、その対策を検討していく。第1回は、スルガ銀行と日本IBMの訴訟判決を取り上げる。

昨年、スルガ銀行とIBM訴訟判決(東京地判平24・3・29金法1952号111頁)がIT業界で話題になった。判決は日本IBMがスルガ銀行に対して74億円あまりの支払義務があることを認める、ほぼスルガ銀行の要求通りの内容。

しかし、これは金銭面の話で、システム開発・稼働の遅れを取り戻せるわけではない。今回は、この訴訟から、企業が学ぶべき対策について述べる。

問題となったプロジェクトは、日本IBMが米フィデリティ・インフォメーション・サービス(FIS)の勘定系パッケージソフト『Corebank』を日本市場向けにカスタマイズする提案を行い、スルガ銀行がその採用を決断してスタートした。

その後、「要件定義」フェーズがスタートしたが難航。数回のやり直しを経た後、日本IBMが開発スコープの大幅削減提案や代替パッケージの採用と追加費用要求を行い、スルガ銀行が損害賠償を求めて訴訟に発展した。

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