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顧客と共同で次世代ソリューションを生み出す米Salesforce.comの試みは奏功するか?

2014年4月4日(金)田口 潤(IT Leaders編集部)

米Salecforce.comが2013年11月に発表した、新しいクラウドサービス基盤「Salesforce1 Platform」をご存じだろうか。このSalesforce1 Platformを生かした新しいソリューションを主要6業種向けに提供すると、Salecforce.comは2014年4月4日に発表した。発表文では詳細は述べられていないが、各業種の主要企業と組んでユニークなビジネスモデルを含んだ新しいソリューションを構築すると見られる。

 Salesforce1 Platformの詳細は関連記事『すべての営業活動を顧客起点に、モバイル対応した「Salesforce1」を発表』を参照いただきたいが、ここでは、できるだけ簡潔に説明しよう。まず、すべてのモノがインターネットにつながる「Internet of things(IoT:モノのインターネット)」が急ピッチで進展中であることは、大半の読者が知っているだろう。

 だがIoTは、それだけでは完結せず、その先には、ほとんどの場合、人がいる。例えば自動車や自動掃除ロボットなら搭載CPUやセンサーの先にいるのは所有者や整備担当者、橋梁などのモニタリングの場合は管理責任者といった具合だ。ここで企業にとって不可欠な顧客との関係強化という視点に立つと、この状況はすなわち「Internet of Customers(IoC)」と捉えることができる。ではIoCを実現するには、どうすればよいだろうか?

 Salecforce.comの中核サービスであるCRM(顧客関係管理)は、主に営業担当者が顧客との関係を管理し、強化するためのものだった。しかし今や顧客(人)はモバイル機器を持ち、様々なWebサービスを駆使するようになっている。加えて、これからはIoT経由でも企業と“接する”ようになる。店舗もコールセンターも、もちろん接点の1つだ。これらの接点(チャネル)のすべて、最近の言葉で言えばオムニチャネルを、企業はIoCという考えのもとに実装しなければならない。

 簡潔にという割には長くなったが、そのためのサービス基盤が「Salesforce1 Platform」である(図1)。その役割は、様々なシステムやサービスに蓄積されている顧客情報を統合することで、機械の異常が検知されたらその情報を、顧客が店舗に来店すればクーポンを、ソーシャルで顧客が不満をつぶやいたら何らかのケアを。これらを、顧客(customers)の手元にあるモバイルデバイスに向けて、適切に実行できるモバイルサービスを構築できるようにすることだ。

図1:Salesforce1の役割を表現した同サービスのホームページ画面

 

 だが容易に想像できるように、何をどこまで、どのようにすればいいのかは複雑で、はっきりいえば実現イメージが湧きにくい。従ってSalesforce1 Platformの価値も理解されにくい。

 で、ここからが本題である。この状況を変えるために、Salecforce.comは、主要6業種向けにSalesforce1 Platformを生かした新しいソリューションを提供する。6業種とは、金融・保険、医療・製薬、小売り・消費者向け製品、通信・メディア、公共機関、自動車・製造である。

オバマ政権の初代CIO、クンドラ氏が牽引

 「なんだ、単なるSalesforce1の宣伝か」と思わないでほしい。本誌が、このニュースに注目した理由は2つある。1つは、この特定業種向けのソリューション開発・提供を率いるのが、同社上級副社長のヴィヴェク・クンドラ氏であることだ。

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