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[オピニオン from CIO賢人倶楽部]

2030年に向け、我々はどう挑むべきか?

2016年5月12日(木)CIO賢人倶楽部

「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システムの取り込みの重要性に鑑みて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見を共有し相互に支援しているコミュニティです。IT Leadersは、その趣旨に賛同し、オブザーバとして参加しています。同倶楽部のメンバーによるリレーコラムの転載許可をいただきました。順次、ご紹介していきます。今回は、本田技研工業 IT本部 システムサービス部 部長の柏原 雅之 氏のオピニオンです。

 次の10年の方向性を定めて社内外に向けて発信するのは、多くの企業が実施している活動の1つだろう。筆者が勤務する本田技研工業(Honda)も同じである。2011年に「良いものを早く、安く、低炭素でお客様にお届けする」という2020年ビジョンを定め、その下に 「何をいつまでにどれくらい」 という目標を設定して事業に生かしてきた。まだまだ先の話だと思っていた2020年も、リオデジャネイロ五輪が終わると東京五輪が視野に入ってくる。2020年が急速に身近になることは間違いないだろう。

 それを見越してというわけではないが、Hondaでは現在、2030年ビジョンの策定にとりかかりつつある。我々IT部門も「全社のビジョンを受けたITのビジョン」という至極当然なことだけでなく、「ITはITとしてのビジョン」を策定することも同時並行で試みている。人工知能や自動運転、ビッグデータなどの言葉を目にしない日はないが、現にこの記事を書いている日の朝刊の1面トップ記事は「I社が共通ポイント事業に新規参入し、ビッグデータ活用につなげる」であり、中面には「V社が100台規模で自動運転車を中国で実証」などの記事もある。一部の企業だけでなく、多くの企業においてITの活用がビジネスの成否のカギを握るようになってきたことを示しており、「ITとしてのビジョン」が必要になるからだ。

 しかし、である。2020年ビジョンを定めた2011年時点では、「日本が長年得意としてきた“ものづくり” 中心から、利用体験価値を提供する “ことづくり” への変革に向け、どのようなサービス提供モデルを確立していくべきなのか?」といったテーマは、それほど話題になっていなかった。2009年に米国で創業した自動車配車サービスの米Uber Technologiesが、2015年12月時点の自動車関連企業の時価総額で5位に位置する企業になっていると予想した人も皆無に近かったはずだ。それどころか、UBERの存在を知っていた人がどれだけいただろう。そう考えると、2030年にどんな世界が待っているのかを考えることは果てしなく難しい。同時に既存の常識を排した自由な発想を求められる、大変楽しい作業とも言える。

 雲をつかむような議論であることは確かだが、少しでも良い結果を得ようとすると、幾つかの準備というか心構えのようなものが必要になってくる。このコラムを執筆するにあたり過去のコラムを眺めると、当倶楽部の会長が2月のコラムで「時代を見極め、技術を見極めていくにはどうすればいいか?」というヒントを提起されている。要点をかいつまんで言うと、(1)関心を持つ、(2)トレンドを見る、(3)体感する、(4)根拠を求めつつ思考する、(5)仮説・検証をする という5項目だった。まさにその通りだと思う。

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