[ビジネスを変える3Dプリンターの基礎知識]

3Dプリンティングがビジネスに与えるインパクト

2016年9月21日(水)David Miklas(デイビッド・ミクラス、チェコ共和国のbe3D CEO)

前回、3Dプリンターがもたらすビジネスモデルへのインパクトを考えるために、同分野のリーダー的存在である米GE(General Electric)の取り組みを紹介しました。今回は、欧州企業の取り組みを紹介しながら、3Dプリンターがビジネスに与えるインパクトを考えてみましょう。

 前回は米GE(General Electric)におけるジェットエンジン用部品への適用状況を中心に、同社の3Dプリンティングへの取り組みを紹介しました。同社は3Dプリンティングの研究開発に年間60億ドルを投資しています。それは、3Dプリンティングのメリットが明らかだからです。以下に、そのメリットを挙げてみます。

●より迅速な設計により、市場投入までの時間を短縮できる
●製造コストを削減できる
●複雑なデザインを持つ単一ユニットが作成できるためアセンブリ(組み立て)工程がなくなる
●上記と同じ理由から、伝統的な金型や鋳造技術では不可能だった形状が作成できる
●廃棄物や有害廃棄物のコストを削減できる
●軽量化材料の使用により、製品の燃費向上や輸送コストの削減が可能になる

 これらのメリットがあるからと言って、GE同様の投資をすべての企業が行えるわけではありません。しかし、「3Dプリンティングは。まだ先の話だ」と思っていては、このトレンドを見誤ってしまいます。例えば欧州では既に、大企業だけでなく中小企業もが3Dプリンターをビジネスに役立て、上記のようなメリットを刈り取っています。

車のフロントエンドに3Dプリンティングを適用:独HBPO

 独HBPOは、自動車のフロントエンドモジュールに特化した部品メーカーです(動画1)。フロントエンドモジュールは、フロントグリルやラジエター、フロントバンパーなどが組み込まれた一体部品です。HBPOは16カ国以上で32拠点を展開。ドイツのAudiやBMW、メルセデスベンツ、ポルシェのほか、米国のベントレーやクライスラー、イタリアのフィアット、韓国の現代や起亜、双龍、チェコのシュコダといった主要メーカーにフロントモジュールを納入しています。

  
  動画1:独HBPOの会社案内ビデオ

 自動車メーカーごとにカスタマイズされるフロントエンドは、金属とプラスチックのほか、アルミやスチール、ポリアミド、ポリプロピレン、ゴム、マグネシウムいった材料が混在している冷却パックなどの部品で構成されています。通常は、プラスチック射出成形金型や金属きょう体によるリブ構造になっています。自動車メーカーに対しHBPOは、フロントモジュールのコンセプトを提案した後、各パーツへの物理的なテストや、組み立て後の動作テスト、衝撃テストなどを実施します。

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