[ビジネスを変える3Dプリンターの基礎知識]

米GEの実践にみる3Dプリンターの実力

2016年9月7日(水)David Miklas(デイビッド・ミクラス、チェコ共和国のbe3D CEO)

第1回では、市場で現在利用されている3Dプリンティング技術の基本と、手法の違いによる、それぞれの利点を紹介しました。今回から、 3Dプリンターがもたらすビジネスモデルへのインパクトについて考えてみます。今回はまず、3Dプリンティングのビジネス利用のリーダー的存在である米GE(General Electric)の取り組みから、3Dプリンティングの実力を紹介しましょう。

 3Dプリンティングは既に、多くの分野に影響を与えています。まずはデザイナーや学生、愛好家たちの想像力を掻き立てました。そして、多くの市場セグメントにおいて、ビジネスへの利用が模索されています。医療や歯科の分野では、身体の欠損部分を人工物で補うカスタム補綴(ほてつ)や、歯の取り付け器具などに興味深い利用例が見られます。食品業界やファッション業界では、特注のデザートや洋服を作る実証実験が行われ、映画の世界でしか想像できないような未来的なデザインが生み出されています。

3Dプリンターでフットボール大のジェットエンジンを作成

 3Dプリンティングに大きな期待をかけているビジネス分野の1つが、工業生産での利用です。その理由は明らかです。ある製品を完成させるまでの生産過程で発生している多くのコストと時間を削減できるからです。部分組み立て用の部品や、製品を完成するために必要な小さな工具でさえ、それを設計しテストし、実際に製造するまでには何カ月もかかってしまいます。

 自動車メーカーを考えてみましょう。自動車メーカーは今日、ボディやエンジン、ホイール、ブレーキなど様々な主要部品の多くをアウトソースし、社外から調達しています。新型車を開発する際には、例えば座席やダッシュボード、内装パネルなどを組み立てるために、多数の部品を組み付けるためのシステムも開発しなければなりません。こうしたシステムの開発に必要な時間とコストは、新型車の開発計画に織り込まれ、市場投入までの時間や開発プロジェクトの成否にも多大な影響を与えます。

 こうした影響の最小化に向けて、3Dプリンターのビジネス活用におけるリーダー的役割を担っているのが米GE(General Electric)です。同社の主力製品の1つである、航空機用のタービンジェットエンジンといった、とても複雑で、かつ洗練された製品の製造に対し3Dプリンターを積極的に活用しようとしています。GEは、積層造形すなわち3Dプリンティングにより、製造時間の短縮と大幅なコスト削減を実現するとともに、製造業における設計と生産に対する、これまでの定義とメカニズムそのものを変えようとしているのです。

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