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リアル店舗を配送拠点にできるオムニチャネル物流サービス――オープンロジが2017年内に開始

2017年7月25日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

物流サービス(倉庫と配送)をEC(電子商取引)サイトなどの荷主に提供しているオープンロジは2017年7月25日、新たな資金調達にともなう新規事業として、配送手段にリアル店舗を活用する「オムニチャネル物流サービス」を2017年内に開始すると発表した。この仕組みを使うと、商品購入者の自宅などへの配送に加え、店舗での取り置きができるようになる。

 新規事業としてオムニチャネル物流サービスを立ち上げる背景の1つとして、2017年7月付けで投資家から7億3000万円の資金を調達した。2014年10月に事業を開始して以来、2015年3月の6000万円、2016年5月の2億1000万円と合わせ、累計資金調達額は10億円になった。調達した資金を、既存事業の成長に向けた投資に使うとともに、新規事業の立ち上げに利用する。

荷主と倉庫をつなぐプラットフォーム

図1●オープンロジのビジネスモデル(出所:オープンロジ)図1●オープンロジのビジネスモデル(出所:オープンロジ)
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 同社の事業は、物流業務を外部に依頼したい荷主企業と物流会社(倉庫)をつなぐハブとなるプラットフォームサービスである。荷主から見れば、商品のピッキングや梱包、在庫管理などの物流業務を、オープンロジを窓口とする一元化された手順でアウトソースできる。倉庫から見れば、自前で営業することなく余剰の倉庫スペースを使って事業を拡大できる。オープンロジを窓口とすることで、多数の荷主企業ごとに個別に対応する手間が要らなくなる。

写真1●オープンロジ代表取締役社長の伊藤秀嗣氏写真1●オープンロジ代表取締役社長の伊藤秀嗣氏
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 特に、荷主から見て簡単に使えるメリットを説くのは、オープンロジ代表取締役社長の伊藤秀嗣氏。「一般に、物流業務をアウトソース場合、打ち合わせや見積もりの手続きが煩雑になる。利用開始までに最低でも1カ月はかかる。オープンロジを介せば、すぐに利用を始められる」(伊藤氏)。オープンロジでは現在、10数社の倉庫会社をネットワーク化している。

 他サービスと比べても簡単に使えるという。伊藤氏は、アマゾンジャパンの物流サービス「フルフィルメント by Amazon」(FBA)を例に挙げ、「FBAで商品を出品するためには10画面を遷移して14ステップを踏む必要がある」と煩雑さを指摘。これに対し、オープンロジで商品を出品するプロセスは簡便だという。

 EC事業者の多くは年商3000万円未満の中小企業であり、自前で行っている物流業務が事業のボトルネックになっている。オープンロジでは、この課題に応えるサービスを開発した。利用しやすいように料金体系を明瞭にし、料金は利用した分だけ支払う従量課金型とし、1カ月ごとの請求書払いとした。

リアル店舗を配送拠点として利用できるようにする

 2017年内に開始するオムニチャネル物流サービスは、EC店舗とリアル店舗という複数の販売チャネルを組み合わせるオムニチャネル販売を実現するサービスである。例えば、倉庫からの配送によって商品を受け取れるだけでなく、リアル店舗で商品を受け取れるようになる。

図2●オムニチャネル物流サービスの概要(出所:オープンロジ)図2●オムニチャネル物流サービスの概要(出所:オープンロジ)
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 店舗で商品を受け取りたいけれど、受け取り先の店舗に商品の在庫がなかった場合、倉庫から店舗に商品を配送して取り置いておくことや、在庫がある別の店舗から商品を配送して取り置いておくことができる。一方、リアル店舗に買いにきたけれども商品の在庫がなかった場合に、倉庫や別店舗から自宅に配送してもらうといったこともできる。
 

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