[オピニオン from CIO賢人倶楽部]

カクレクマノミから「リスキリング」の本質を考える

J.フロント リテイリング グループデジタル統括部 チーフ・デジタル・デザイナー 野村泰一氏

2023年5月10日(水)CIO賢人倶楽部

「CIO賢人倶楽部」は、企業における情報システム/IT部門の役割となすべき課題解決に向けて、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)同士の意見交換や知見共有を促し支援するユーザーコミュニティである。IT Leadersはその趣旨に賛同し、オブザーバーとして参加している。本連載では、同倶楽部で発信しているメンバーのリレーコラムを転載してお届けしている。今回は、J.フロント リテイリング グループデジタル統括部 チーフ・デジタル・デザイナーの野村泰一氏によるオピニオンである。

 アニメ映画の主人公にもなったカクレクマノミは、オレンジ色に白い帯がポイントの愛らしい魚です。太平洋やインド洋にかけてのサンゴ礁に生息しており、日本でも沖縄の海で見ることができます。毒を持つイソギンチャクとの共生が特徴ですが、もう1つ、生まれたばかりのカクレクマノミはすべてオスだという大きな特徴があります。

 成長する中で、群れで一番大きな個体がメスになるのです。もしメスに何かあると、残った個体の中で一番大きなものがメスになります。約3万種いるとされる魚類で、カクレクマノミのように性転換する魚は約400種存在すると言われています。

生まれたばかりのカクレクマノミはすべてオス。成長する中で、群れで一番大きな個体がメスになる(写真:Getty Images)

 カクレクマノミのようにオスからメスだけではなく、群れの中にオスがいなくなるとメスからオスに変わる魚もいます。ホンソメワケベラという魚は、わずか30分でメスからオスに変わるとか。すごいですね。もっとすごいと思うのはダルマハゼです。この魚はオスからメスへ、またその逆にメスからオスへも何度でも変われるのです。オス同士やメス同士が出会うと、大きい方がオスに、小さい方がメスになるのです。状況に応じて転換する能力が半端ないと思います。

 さて、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関する記事を読むと最近、「リスキリング」という言葉をよく見かけます。Re-skillingは、人の持つスキルを再教育するという意味です。デジタルの力により社会やビジネス環境が大きく変わるとき、求められる人のスキルも変わるというのは感覚的に理解できると思います。

 DXにおけるリスキリングは、システムを使う人、作る人の双方がその対象となっていることが特徴的なところです。まずは使う人。現場部門でシステムができる人と言うと、Excelを使ってデータをきれいに加工する人のことを指すことが多いですよね。確かにきれいなレポートやグラフはとても魅力的です。

●Next:重要なのは、状況や環境に応じて変わる能力

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