[調査・レポート]

日経225企業のDMARC導入率は62.2%、1年で12.4ポイント増加─TwoFive調査

BIMIは23.2%が設定済みも、うち29.1%は設定不備

2023年5月19日(金)日川 佳三(IT Leaders編集部)

TwoFiveは2023年5月18日、なりすましメール対策に用いる送信ドメイン認証技術「DMARC」の導入状況を調査した結果を発表した。今回の調査(2023年1月、2月、3月、4月、5月実施)では、日経225企業のうち140社(62.2%)が、メール送信者側として少なくとも1つのドメインでDMARCを導入していた。前年同時期に実施した調査(2022年2月と5月に実施)と比べると、112社(49.8%)から140社(62.2%)と、1年で12.4%増えている。

 メールセキュリティベンダーのTwoFiveは、なりすましメール対策に用いる送信ドメイン認証技術「DMARC」の導入状況を調査した。今回の調査(2023年1月~5月実施)では、日経225企業のうち140社(62.2%)が、メール送信者側として少なくとも1つのドメインでDMARCを導入していた。

 前回調査(2022年8月、10月、11月実施)の124社(55.1%)と比べると、半年で7.1%増えた(関連記事日経225企業の55.1%がなりすましメール対策に「DMARC」を導入─TwoFive調査)。前年同時期(2022年2月、5月実施)の112社(49.8%)と比べると、1年で12.4%増えている(関連記事日経225企業の半数がなりすましメール対策に「DMARC」を導入─TwoFive調査)。

 調査では、日経225企業が管理・運用する5261ドメインを対象に、DNSレコードを調査した。DNSレコードから、(1)DMARCを導入しているか、(2)DMARCのポリシー設定状況(none:何もしないで受け取る、quarantine:隔離、reject:拒否)、(3)BIMIレコードの設定状況とBIMIの要件であるVMC(認証マーク証明書)の指定状況の3項目を調べた。

 なお、DMARCは、メールのなりすまし対策に利用する送信ドメイン認証の仕組み(RFC 7489)である。SPF/DKIMの2つの認証技術の結果を基に、認証に失敗したメールのアクセスを制御し、認証結果をメール送信者と共有する(関連記事TwoFive、なりすましメール可視化サービス「DMARC/25」を強化、メールを送信した企業に通報可能に)。

日経225企業の140社・62.2%がDMARCを導入

 日経225企業のうち140社(62.2%)が、少なくとも1つのドメインでDMARCを導入していた。調査を開始した2022年2月から見ると27.1%、1年前の2022年5月と比べると12.4%増えている(図1)。

図1:日経225企業におけるDMARC導入状況(n=225)(出典:Two Five)
拡大画像表示

 140社が運用するDMARC導入済み971ドメインのうち、強制力のあるポリシー(quarantine、reject)を設定しているケースは、現時点で全体の31.7%であり、none設定によるモニタリング段階が大半で、1年前(33.5%)と比べて増えていない(図2)。これに対して同社は「今後、強制力のあるポリシーに変更し、なりすましメールを制御する段階にステップアップしていくことが期待される」とコメントしている。

図2:日経225企業におけるDMARC導入ドメインのポリシー設定状況(出典:Two Five)
拡大画像表示

23.2%がBIMIを設定するも、うち29.1%は設定に不備

 今回から調査項目に加えたBIMI(Brand Indicators for Message Identification)は、DMARCと組み合わせて使う、メールのなりすまし対策規格である(関連記事TwoFive、なりすましメール対策規格「BIMI」認証マーク証明書を販売、DMARCと共に運用支援)。PKIベンダーがメール送信者に発行する「認証マーク証明書」(VMC:Verified Mark Certificates)のロゴをメールソフトウェアの画面に表示することで、受信者は正規のメールを見分けやすくなる。

 2023年4月時点では、3724ドメインがDNS上にBIMIレコードを設定していた。「BIMIへの注目が高まりつつある」(同社)としている。しかし、ロゴの所有証明のために必要となる認証マーク証明書(VMC)を設定しているのは865ドメイン(設定率:23.2%)だった(図3)。BIMIのロゴを表示する機能を備えている主要メールサービスはVMCを必須条件としていることから「VNCの設定率は今後高まることが期待される」と同社は見ている。

図3:BIMIを設定済みであるメールドメインの状況(n=3724)(出典:Two Five)
拡大画像表示

 一方、VMCを設定している865ドメインのうち29.1%に相当する252ドメインには、何らかの設定不備があった。設定不備で最も多いのは、VMCに指定したドメイン名とBIMIレコードのドメイン名が一致しないケース(122ドメイン)である。これ以外では、VMCの有効期限が過ぎたケース(58ドメイン)と、画像情報の不一致(33ドメイン)を確認した(図4)。

図4:BIMIにおける設定不備の内訳(n=252)(出典:Two Five)
拡大画像表示
関連キーワード

DMARC / TwoFive / メールセキュリティ / BIMI / なりすまし

関連記事

トピックス

[Sponsored]

日経225企業のDMARC導入率は62.2%、1年で12.4ポイント増加─TwoFive調査TwoFiveは2023年5月18日、なりすましメール対策に用いる送信ドメイン認証技術「DMARC」の導入状況を調査した結果を発表した。今回の調査(2023年1月、2月、3月、4月、5月実施)では、日経225企業のうち140社(62.2%)が、メール送信者側として少なくとも1つのドメインでDMARCを導入していた。前年同時期に実施した調査(2022年2月と5月に実施)と比べると、112社(49.8%)から140社(62.2%)と、1年で12.4%増えている。

PAGE TOP