[河原潤のITストリーム]

市場縮小、されど進化を続けるテープ・ストレージ:第21回

2010年7月28日(水)河原 潤(IT Leaders編集委員/データセンター完全ガイド編集長)

磁気テープと聞いて、大多数の人はビデオテープやオーディオテープを思い浮かべると思います。それらはCDやDVD、ブルーレイが広く普及した今となっては“旧式の技術”なのですが、ご存じのように、企業ITの世界におけるテープは依然、“現役の技術”として認知され、世界中のデータセンターでバックアップ/アーカイブ用のテープ・ストレージが運用され続けています。

 とはいえ、企業ストレージ分野の一製品市場として見た場合、その規模は明らかな縮小傾向にあります。IDC Japanが7月12日に発表した国内テープ・ストレージ製品市場規模/予測によれば、テープ・ドライブとテープ・オートメーションを合計した2009年の売上額は281億1,200万円で、前年比35.9%減と大きく落ち込み、2010年も前年比2ケタ減が見込まれています(IDC Japanのプレスリリース)。

 市場規模の縮小は、テープ・ストレージがこれまでメインで選ばれてきた用途において選ばれなくなってきたことによるものです。バックアップ用途については、オンライン・ディスク・ストレージの大容量化と低コスト化が顕著であるため、テープ・ライブラリの老朽化やリース期間終了などのタイミングで、ディスク・ベースのバックアップに切り替える企業が増えています。なお現在、大手ストレージ・ベンダーは、バックアップ/リストア作業の高速化や管理コストの削減、災害対策に有効なD2D2T(Disk to Disk to Tape)バックアップ・ソリューションを提供していますが、今のようにIT予算が抑えられた状況で、そのような統合バックアップ環境を構築し運用できる企業はそう多くないと考えられます。

 一方、アーカイブ用途については、その要件から、(アーカイブの意味が大多数の企業に誤解されていないかぎり)今後もテープ・ストレージが主流であり続けるはずです。ただし、仮想テープ・ストレージ技術やディスク・ベースのWORM(Write-Once, Read-Many)技術の実用度が大きく増していますので、これまでの「アーカイブと言えばテープ・ストレージ」といった絶対的な存在ではなくなっていくかもしれません。

 こうして市場規模が縮んでいく流れにはなっていますが、テープ・ストレージはテクノロジーの進化を止めたわけではありません。むしろ、ディスク・ストレージでは実現できないような定期的・段階的な性能向上が追求されていて、それは今後も続いていくのです。

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