[技術解説]

今後のものづくりに向けた提言~企業力を高める製品ライフサイクル管理~(後篇:ものづくりの仮想化)

2011年9月16日(金)

製品ライフサイクル管理(PLM)とは、設計から製造、販売、保守、サービス停止、そして最後の廃棄に至る製品ライフサイクルの全段階で、情報を基に製品管理に取り組むための統合的なアプローチである。本連載では、企業が製品の利益率を最大化するためのPLMの役割とメリットを明らかにする。

■試作をしない「ものづくり」

携帯電話の売り場に行くと、実際に操作できる数台の携帯電話とともに、実物そっくりに作られた携帯電話の模型が数多く展示してある。この実物そっくりの模型は、携帯電話の外観や色、質、重さ、手触りなど、アプリケーション機能以外の特長を、購入前に確かめることを目的としている。これが日常生活において目にできる「モックアップ」の利用例である。

ものづくりにおけるモックアップとは、工業製品を新たに製品化する前に作成する実物大の模型のことだ。デザイナーがCADなどで設計した3次元デジタルモデルを製品化する前に、実際にはどのように見えるのか、どのように動くのか、不具合はないのか、といったことを確認するために作成する。携帯電話のモックアップは完成品を利用者が確認するものだが、ものづくりにおけるモックアップは製造前にデザインを確認するためのものだ。

モックアップは、デザイナー(または職人)が実際に木を削りだして作成していたこともあり、「木型」と呼ばれることもある。だが実際の木を削りだすには時間がかかるだけでなく、デザインの変更が発生したときに再度作り直さなければならないなど、手戻りの負担が大きかった。現在では、FRP(繊維強化プラスチック)や合成樹脂で作成されることも多いが、制作のための作業とコストが必要なことに変わりはない。

そこで近年、注目度が高くなっているのが、試作をしないものづくりを目的とした「デジタルモックアップ」の有効活用である。

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