[デスクトップ仮想化基盤[VDI]再入門]

デスクトップ仮想化(VDI)とシンクライアントはどう違う?

2014年2月10日(月)佐々木 慎介(ネットワンシステムズ)

本連載では、「今後、自社でもVDIの導入を検討するべきだろうか・・・?」とお考えのシステム担当者の皆さんに、VDIの意義や効果、導入検討段階で気になるポイントなどを解説していきます。第1回では、シンクライアントについて説明します。シンクライアントを理解すると、VDIの長所、短所もよく分かります。

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 VDI(Virtual Desktop Infrastructure)を解説するにあたって、まず第1回では「シンクライアント」と呼ぶ処理方式を説明します。なぜなら、VDIはシンクライアントの実装方式の1つだからです。シンクライアントとは何か、VDI以外にどんな方式があるのかを理解すると、VDIの本質がよくわかります。

 シンクライアントは、プログラムの実行や、データの保存といった機能をクライアント端末から切り離し、サーバーに集中させるアーキテクチャのことです。シン(thin)は「薄い・細い」を表す英単語。PCなどと比較して、機能を削ぎ落したクライアントという意味です。シンクライアントと対比して、PCをファットクライアント(fat client)と呼ぶこともあります。

シンクライアントには2つのタイプがある

 シンクライアントにはいくつかの実装方式があります。まず、「ネットワークブート型」と「画面転送型」の2タイプに分類できます。さらに、画面転送型は、「サーバーベース方式」「ブレードPC方式」「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)方式」3つのタイプに分類できます。まず、ネットワークブート型とサーバーベース型の違いを説明しましょう。

図1:シンクライアントの主な実装方式

ネットワークブート型シンクライアント

 文字通り、ネットワークブートの仕組みを利用した方式です。サーバーに保存したイメージファイルを、端末がネットワーク経由でダウンロードして、OSやアプリケーションを実行します。端末のCPUとメモリーを使うため、利用している感覚は通常のPCと変わりません。周辺デバイスも利用できます。WindowsだけでなくLinuxにも対応が可能です。複数のユーザーで共同利用できます。

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