[中国電脳事情]

【中国電脳事情セレクション】テンセント開発のAI、食道癌の早期スクリーニング臨床試験に採用、ほか

2017年9月26日(火)足立 治男

中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。

テンセント開発のAI、食道癌の早期スクリーニング臨床試験に採用へ

―新浪サイエンス(2017年8月3日)

 テンセントは2017年8月3日、AI医学画像連合実験室の設立を発表した。同時に、世界初のAI技術を用いた食道癌の早期スクリーニング臨床試験を行う予定であると表明した。

 同実験室には中山大学(広東省)附属腫瘍医院(広東省食道癌研究所)、広東省第二人民医院、深セン市南山区人民医院が提携病院として参画している。

 現在の中国における早期食道癌の検出率は10%に満たないと言われている。テンセントによると、今回のスクリーニングに用いられる同社のAI製品「騰訊覓影」では、4秒のスクリーニングで早期食道癌を発見する精度が90%に達するという。また、この食道癌検査は騰訊覓影にとって初の臨床試験応用例になるという。

 テンセント モバイルインターネット事業グループの副総裁、陳広域氏によると、騰訊覓影には、テンセントのAI Lab(人工知能研究室)、優図実験室(顔認識技術)、アーキテクチャフォームなどの技術が盛り込まれており、AIと医学界との融合を目的とした製品で、今後は肺癌や乳癌などの他、糖尿病網膜症の早期検査にも応用したいという。

 2017年よりテンセントはAI分野の事業展開と研究開発に積極的に取り組んでいる。同年3月には著名なAI分野の研究者である張潼氏をAI Labの主任に迎え入れ、5月には著名な音声識別分野の研究者、ユ棟氏をAI Labの副主任に任命し、米シアトルにAI実験室を開設している。

世界のスマートフォン出荷台数ランキングでシャオミが躍進、前年比58.9%の伸びでトップ5に

―新浪サイエンス(2017年8月2日)

 IT市場調査会社の米IDCが発表した最新レポートによると、2017年第2四半期(4-6月期)における世界のスマートフォン出荷台数は3億4160万台で、前年同期比1.3%の減少となり、前期(1-3月期)比で0.8%の減少となった。

 そのうち、サムスン電子製スマートフォンの出荷台数は7980万台で、市場シェア23.3%でダントツのトップだった。2位はiPhoneのアップルで4100万台、市場シェア12%。

 中国勢のファーウェイ、OPPO、シャオミ(小米)はそれぞれ3、4、5位となり、出荷台数は順に3850万台、2780万、2120万で、市場シェアは11.3%、8.1%、6.2%となった。IDCのレポートでは、世界トップ5のいずれもが前年比で出荷台数を伸ばしており、そのうち最も増加したのはシャオミ(増加率58.9%)だったという。またOPPOとファーウェイも増加率22.4%、19.6%と健闘したが、サムスンとアップルは1.4%、1.5%の増加にとどまったという。

アリババやテンセントが中国鉄路総公司に資本参加へ

―界面(2017年8月8日)

 旧鉄道省より全国の鉄道の運行部門を引き継いだ中央政府直轄の国有企業である中国鉄路総公司。同社は「混合所有制改革」(訳者注:2016年11月に打ち出された中国国策。国有企業改革の一環として、国の国有企業に対する主導権は維持したまま、外国資本も含む民間資本を参加させ、市場競争力強化、近代的ガバナンスの確立、経営効率の向上を図るというもの)の一環として、中国IT大手のアリババグループやテンセント(騰訊)に資本参加のラブコールを送った。

 2017年5月、中国鉄路総公司の総経理(社長に相当)である陸東福氏は、アリババグループ董事局主席(日本の取締役会会長に相当)の馬云氏と会談。アリババの資本参加により、同社の第三者決済サービス「Alipay(支付宝)」や、実名確認(認証)技術、ナビゲーション技術などの分野で全面的に提携し、混合所有制改革を推し進めたいと表明した。

 これに対し馬氏は、アリババの有するビックデータ、クラウド、EC事業などにおける技術的優勢と、中国鉄路総公司の有する資産、資金、市場などの資源を有機的に結合させて、両社の提携を深めて行こうと意気込んだ。

 2017年7月には、陸東福氏はテンセント董事局主席の馬化騰氏と会見し、両社はスマート鉄道、キャッシュレス旅行、顔認証改札などの新分野での提携を模索することを提案した。そのうえで、陸氏は「中国鉄路総公司は現在、優れた資産の資本化、株式化、証券化を推進しており、混合所有制改革によるテンセントの資本参加を歓迎する」と表明した。これに対し、馬氏は、「我が社は開放的な精神で積極的に鉄道のニーズに適応し、優秀なチームを結集して研究開発に取り組み、鉄道サービスのスマート化を推進して利便性を向上させ、高速鉄道網とインターネットの融合を図り、スマート鉄道に寄与する」とコメントした。この他、中国鉄路総公司は中国自動車大手である中国第一汽車とも資本参加について協議を進めている。

 中国企業研究院の主席研究員である李綿氏は、「中国鉄路総公司は先に“本物の会社”となるべきであり、市場化改革を完成させ、『同一の持ち分=同一の権利』を保証し、近代的な企業ガバナンスと内外監査の体制を確立してこそ、混合所有制改革を有効に進めることができる」との見解を示した。

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