[ものづくりからことづくりへ、製造業に迫るサービス化の波]

【第9回】サービス化のカベ(1)サイロ化がサービスシフトを阻む

2014年11月7日(金)山田 篤伸(PTCジャパン)

製造業におけるアフターサービスのあり方を考えるためにこれまで、3つのビジネスモデルを紹介した。「Break/Fix(壊れたら直す)」「Preventive Maintenance(予防保守)」「Preemptive Service(先取り/先制攻撃)」の各モデルである。サービスファーストの考え方に沿って、これらビジネスモデルの変革に取り組もうとすると、いくつかの課題に直面する。今回は、Break/FixからPreventive Maintenanceへ変革する際の課題を考える。

 伝統的なBreak/Fix(壊れたら直す)型のサービスモデルから一歩踏み出し、サービスモデルを進化させようとする企業の多くが直面するのが、「利用者が満足するサービスモデルを構築できない」という問題である。

 原因は様々だが、サービス提供部門が組織によって縦割りに分断され、それぞれの部門が独自に業務プロセスを最適化していることが途端になっているケースが多い。「業務プロセスと IT のサイロ化」として知られる問題だ(図1)。

図1:サイロ化する業務とIT図1:サイロ化する業務とIT
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 業務とITがサイロ化すると、利用者の視点からみれば、サービスに一貫性が欠けているように見える。同じ質問に何度も答えねばならなかったり、回答の内容が部門によって違っていたりするためだ。結果、サービスに対する信頼性を損ねてしまいかねない。

サイロ化がもたらす問題

 サービス業務のサイロ化はいたるところで発生する。分かりやすい例の1つとして、コールセンターの業務を挙げてみたい。

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