[IoTの本質と価値を探る]

第3回:IoTデータ処理の仕組みを実装する

2016年1月8日(金)渡邉 利和

ITの進化と成熟が進み、小型化や省電力化、低コスト化が進んだ結果、かつては考えられなかった社会のさまざまな分野でITの恩恵を活用できるようになってきた。そうした流れの中で注目を集め出したIoT(Internet of Things)を、企業はどうとらえて、いかにして活用していけばよいのか。本稿では、IoTに対する基本的な考え方を確認した後、自社のデータセンターでIoTデータ処理の仕組みを実装する際の考慮点について述べる。

「モノのインターネット」が具現化に至る道筋

 「モノのインターネット」とも訳されるIoTは当初、インターネットの規模拡大予測の文脈で使われ始めた言葉だと記憶している。例えば、「全世界のコンピュータに対応するために、IPアドレスの総数はどのくらいあればよいのか」といった問題を考える際に、多く見積もっても世界総人口の数倍程度の数があればカバーできると考えられる。だが、人間の介在なしに動作するさまざまな機器(モノ)がインターネットに接続され、データのやり取りを行うようになれば、その数は世界総人口を基準にできないほど膨大な数に及ぶことになる。

 実際に、こうした議論はIPv4アドレスの枯渇が懸念され始めた1990年代にはすでに行われていた。次世代のIPとしてIPv6の仕様が正式に公開されたのは1995年のことだが、この時点で、将来のIoT時代の到来は当然のものとして共通認識となっていた。IPv6における128ビットという数は、世の中のありとあらゆるモノにIPアドレスを割り振ることが可能なようにということが考慮されたうえで決められたという経緯がある。

 このように、予想される未来像としてのIoTは、それこそ20年前にはすでに見えていたが、それが現実化したのはごく最近になってからだ。アイデアを現実的なソリューションとして成立させるためにはインターネット接続可能なデバイスが十分に小型化し、かつ低価格で入手できるようになる必要があった。ここ数年でようやく条件が整ってきたわけだ。

IoTとビッグデータの関係

 IoTと同じような文脈で語られるキーワードがご存じ、ビッグデータである。両者は密接に関連しているのだが違いもある。ビッグデータは、必ずしもデータの総量や個々のデータが「大きい」ことを意味するのではなく、蓄積されたままで十分に活用されていなかったデータから新たな知見を抽出するというデータ分析手法の進化に注目している。いわばデータの出口、後処理の話だと言える。

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