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【Special】

高度な解析からクラウド展開まで
トータルなデータ活用基盤を提供

2016年4月7日(木)

ERPパッケージを主軸にエンタープライズITの領域を牽引してきたSAPは、ビッグデータ活用においても存在感を強めている。同社が描く理想的な基盤像や、具体的なソリューションとはどのようなものなのか─。

 「SAP HANA」と聞いて、真っ先に、インメモリー技術を駆使したDBエンジンを想起する人も多いことだろう。確かに2010年の発表当初はそれが実態だったが、今はそれを中核にミドルウェアやサービス機能などを組み合わせた“統合プラットフォーム”へと大きな変貌を遂げている。SAPジャパンの鈴木正敏氏(バイスプレジデント プラットフォーム事業本部長)は「OLTP(オンライントランザクション処理)などの基幹系システムのみならず、OLAP(オンライン分析処理)などの情報系アプリケーションをも単一のIT基盤でリアルタイムに実行できるのが特徴」と強調する。

SAPジャパン株式会社 バイスプレジデント プラットフォーム事業本部長の鈴木正敏氏

 そのポテンシャルを存分に活かしている事例として、米国のスーパー大手、ウォルマート(Wal-Mart Stores)の取り組みがある。従来から巧みなデータ活用で知られる同社の情報系システムには、1万1000店舗からの大量のPOS(販売時点情報管理)データが集約される。これらを高速処理するために採用したのがSAP HANAだ。旧システムで46TBものデータが蓄積されていたが、HANAでの再構築によって、5.7TBまで圧縮され、1500名を超えるユーザーによる迅速な分析が並列的に可能になったという。

 こうした積極的なデータ活用は一部の先進的企業にとってのテーマではなく、もはやどんな業種、どんな規模の企業にとっても喫緊の課題。データ活用を巡る動向と、そこで活きるテクノロジーをしっかりと見極め、データ活用基盤のあり方を再考することが求められている。

 そうしたニーズの高まりを受けて、ビッグデータ時代に不可欠なソリューションを拡充しているのがSAPである。同社はこの領域において「データサイエンス」「ビッグデータディスカバリー」「クラウドアナリティクス」という3つのキーメッセージを投げかけている。以下にその中身を見てみよう。

データサイエンス

 文字通り、“科学的アプローチ”でデータから価値を導き出そうとの試みがデータサイエンスだ。それは「何が起こったのか?」という記録的データサイエンス、「なぜ起こったのか?」という診断的データサイエンスとして進化し、さらには「何が起こるのか?」という予知的(プレディクティブ)データサイエンスに挑むステージにまで来ている。ガートナーが提唱するモデルでは、この先「どうすれば起こせるのか?」という処方的データサイエンスへの発展も見込まれている。

 最前線では、統計学などを駆使した高度な解析が行われており、そうした知識やスキルを持ち合わせたデータサイエンティストは限られているのが現状。企業が採用したくとも人材が払底しているのだ。ここで現実解となるのが、「ビジネスアナリストとデータサイエンティストの中間に位置する“シチズンデータサイエンティスト”が活躍できる環境を用意すること」(鈴木氏)だ。データサイエンティストほどの高度な知見を持たない彼ら彼女が、思い通りのアナリティクスができるように、テクノロジーで支援・補完することが重要になる。

 ここで役立つのが「SAP Predictive Analytics」。本製品の「Automated Analytics」と呼ぶ機能モジュールを利用することで、統計学に精通していなくとも予測分析の展開が可能で、機械学習による予測分析モデルの自動生成により処理時間を大幅に短縮できる。また、Rを使ったカスタムコンポーネントなどで本格的な分析を行いたい場合には、「Expert Analytics」の機能モジュールで実現できる。

ビッグデータディスカバリー

 ビッグデータは、量や種類、発生頻度といった観点で、これまでのデータとは特性を異にするため、既存のツールだけで対処しようと考えるのは無理がある。ビッグデータのハンドリングや分析による価値創出といった一連のプロセスを大局的にとらえ、そこで必要となる基盤の全体像を見直すことが欠かせない。ここでSAPは、ビッグデータ、データサイエンス、データディスカバリーを組み合わせたアーキテクチャを提示する。 

図1 ビッグデータディスカバリーの構成要素
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 ビッグデータディスカバリーを支援するのは、以下の製品だ。

●ビッグデータ:「SAP HANA」
SAP HANAはインメモリーの先駆的な高速データベースを核とし、構造化データだけでなく非構造化データや地図データなども扱える統合プラットフォーム。さらに、Hadoopとリアルタイムに連携するためのツール「SAP HANA Vora」を提供している。

●データサイエンス:「SAP Predictive Analytics」
先にも触れたこの製品は、SAP HANAとの連携により、センサー情報などの大量データにおいても柔軟に予測分析を実現できる。

●データディスカバリー:「SAP Lumira」
データのアジャイル活用を可能にし、データ分析を現場のユーザーに解放する。プレゼンテーション用のストーリーボードもツール内で作ることができる。

クラウドアナリティクス

 「所有から利用へ」というクラウドの潮流が加速しているのは周知の通り。アナリティクスも例外ではない。分析基盤をオンプレミスで時間をかけて構築するのではなく、クラウドサービスを利用して素早くアクションを起こしたいというニーズが広がっている。社内に散在していた、意思決定に必要なアナリティクス機能を1つに統合するといった目的にも適用できる。それを実現するのが、「SAP Cloud for Analytics」だ。

図2  SAP Cloud for Analytics全体像
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 もちろん、どうしてもオンプレミスに残す必要があるシステムがある場合は、透過的にデータを連携できるのも特徴だ。さらに、セールスフォースなど他のクラウドサービスとの連携も可能で、各社のニーズに応じて、柔軟かつ弾力的にシステムを構成できる。

 SAP HANAによる、Hadoopを含む、OLTP+OLAPの実現。ビッグデータ分析に関わる課題を一掃するSAP PredictiveやSAP Lumira、そしてオンプレミスのみならずクラウドへの展開…。以上で見てきたように、SAPソリューションは、アイデアではなく“今すぐにビジネスに新たな価値をもたらす現実解”なのである。


●お問い合わせ先

SAPジャパン株式会社

SAPジャパンホームページ http://go.sap.com/japan/index.html
事例など SAPジャパンブログ http://www.sapjp.com/blog/
Webでの問い合わせ先 https://go.sap.com/japan/registration/contact.html
電話での問い合わせ先 0120-554-881(受付時間:平日 9:00~18:00)

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