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豊富な経験が実証するMDMの本質と成功のポイント

2016年4月14日(木)

意思決定の精度アップ、事業スピードの加速…。これらを実現するための生命線でありながら、多くの企業において後手に回っているのが「マスターデータ」の管理である。この領域に軸足をおいて多くの実績を積み上げてきたインフォマティカのエバンジェリストが、「データマネジメント2016」のセッションで、MDMの本質と成功のポイントを解説した。

散在するマスターに起因するデータ統合の課題

インフォマティカ・ジャパン株式会社 セールスコンサルティング部 ソリューションアーキテクト エバンジェリスト 久國淳氏

 「マスターデータは、アプリケーションごとに使いやすい形で管理されているのが一般的です。項目やコード体系などはそれぞれ異なっており、いわば方言がたくさんあるような状態。このため、複数のマスターデータを統合して業務上の目的のために活用するには、それぞれのマスターからデータを抽出して翻訳し、データ活用基盤に届けることになり、非常に複雑な状態になっています」──このように問題提起するのは、インフォマティカ・ジャパンの久國淳氏(セールスコンサルティング部 ソリューションアーキテクト エバンジェリスト)だ。

 マスターデータが散在することによって、主な課題として挙げられるのが以下である。

  • シングルビューの欠如
  • 階層ビューの欠如
  • 360°ビューの欠如

 そこで、マスターデータを一元的に統合管理することで、関連するすべてのデータへのアクセスを可能にする、マスターデータ管理(MDM)が重要になる。「MDMの真価は、ビジネスユーザーに包括的で信頼できる品質の高いデータを供給し、営業力の強化やCX(顧客体験)の向上、マーケティング効率の改善、意思決定の精度向上など、ビジネスに直結する価値を創出することにあります」と久國氏。MDMに必要となる主な要素は、以下の4つだ。

  • 翻訳(コード変換自動化):ETLやデータクレンジングのツールを使う。インフォマティカ製品であれば、「PowerCenter」や「Data Quality」。
  • 効率化(二重メンテの排除):それぞれのアプリケーションでマスターデータを管理していると、二重入力や不整合が発生する。集約することでメンテナンス業務を効率化する。
  • 信頼性(ゴールデンマスター管理):アプリケーションの外側でマスターを統合管理することで、どれが正しいか議論する必要がなくなり、データの信頼性が上がる。独立・中立で最も正しいマスターとして、ゴールデンマスターと呼ぶ。
  • 360°ビュー(ビジネス部門への包括的な情報供給):マスターデータにトランザクションデータを紐付けることができ、必要な形で業務部門に供給できる。

 中でもポイントとなるのが「360°ビュー」。MDMのメリットがメンテナンスコストの低減だけでは、投資効果としては弱い。リッチな情報を業務部門に提供できて、ビジネス上のメリットがあってこそ、MDMへの投資が価値あるものになる。

MDMプロジェクトを成功に導く3つのポイント

 顧客情報の例で、MDMの構成と全体の流れを図に示した。マスターデータを統一するのはアプリケーション側の変更が必要で大変な作業になるが、アプリケーションの外側にゴールデンマスターを作り、同期させることで品質を維持することができる。

図1 包括的な360°ビューを提供する統合顧客情報基盤の例
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 データ活用のステップは以下のようになる。

  1. マスターデータを収集(アプリケーションとMDMの間で同期し、正しい状態を保つ)
  2. クレンジング(標準化・補完によりデータ精度を上げる)
  3. 名寄せ(データ精度が高くないと名寄せ精度も上がらない)
  4. 階層管理(世帯・法人グループなどの関係を関連づける)
  5. 関連づけ(顧客中心や商品中心など、目的に応じて関連づける)
  6. 配信(分析基盤やポータルに配信する)

 MDMにはプラットフォーム型とアプリケーション型があるが、インフォマティカではさまざまな要件に対して適応性があるプラットフォーム型を採用している。また、マスターデータ統合は、コンソリデーション型、ハブ型、集中管理型がある。どれが適しているかは、マスターの種類やアプリケーションの配置によって異なってくる。

図2 スタイル別 マスター統合ユースケース
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  MDMのプロジェクトは、一気にすべてを統合しようと欲張らないのがコツだ。例えばコニカミノルタでは、グローバル統合マスターデータ管理が最終的な目標に掲げながらも、ステップを踏んでスモールスタートで始めたことが成功に結び付いている。ステップ1では主要事業のアジア・パシフィック地域を統合し、ステップ2ではグローバル各地域へ展開し、ステップ3で他事業への展開というようなアプローチだ。この事例は、プロジェクトは1年以内で終わる規模に限定し、盛り込みすぎない方が成功することを裏付けている。

 久國氏は、これまで数多く手がけてきた案件に照らすと、MDM成功のポイントは以下の3つにまとめることができると訴える。

  • ITの側面だけではなくビジネス価値の観点で投資効果を考える
  • 盛り込みすぎず、必要最小限のスコープから始める
  • ビジネス部門を巻き込んだプロジェクト体制を作る

 「国内外の豊富な実績とノウハウに基づいて、データ活用に関するどんな相談事にも応える体制を整えているので、是非お声がけ下さい」と久國氏は講演を締めくくった。

【参考情報】日本データマネジメント・コンソーシアム(JDMC)のサイトの会員リレーコラムにおいて、久國氏が「難度も高いがリターンも高い!――MDMの本質とその効能」という記事を執筆しています。こちらも併せてご覧ください。
http://japan-dmc.org/?p=6105


●お問い合わせ先

インフォマティカ・ジャパン株式会社

URL: http://www.informatica.com/jp/
 

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