[CIOのための「IT未来予測」将来を見据え、目前のITを評価せよ]

“守り”から“攻め”のクラウド活用へ、クラウドネイティブを加速するマイクロサービスとAPIエコノミー

2016年10月17日(月)大和 敏彦(ITi代表取締役)

クラウドの活用が拡大するなかで、その位置付けが変わってきた。オンプレミスありきから、クラウド活用を最初に検討する「クラウドファースト(Cloud First)」を経て、クラウドならではの活用を最優先する「クラウドネイティブ(Cloud Native)」への転換が始まっている。今回は、進化を続けるクラウドの最新動向とクラウドによる変革を考えてみたい。

 クラウドの利用が急速に広がっていることは、クラウドサービス事業者の驚異的な売り上げの伸びに表れている。中でも米Amazonが提供するAWS(Amazon Web Services)と米MicrosoftのAzureの躍進が著しい。

 Amazonが発表した2016年4~6月期の決算では、AWSの売上高は前年同期比58%増の28億8600万ドル(約2970億円)を達成。2016年通期では110億ドルを突破する見込みである。Microsoftの2016年4~6月期におけるインテリジェント・クラウド事業の売上高は67億1100万ドル(約6910億円)と前年同期比で6.6%の増加ではあるが、この中のAzureの売上高は前年同期比で102%増を達成している。

 米調査会社のSynergy Research Groupが2016年4月28日に発表したレポートによれば、2016年の1~3月期は、AWSが前年比57%成長、AWSを追うMicrosoftと米IBM、米Googleの3社の伸びが93%だった。これら上位4社を追う、富士通やNTTグループ、米Oracle、米Salesforce.com社など20社の平均成長率は41%である。AWSとAWSを追いかける3社の上位4社によるシェア拡大が見て取れる。

AWSやMicrosoft AzureはPaaSのリーダーにも

 クラウド事業は、規模のメリットが影響する。規模が大きくなればなるほどサーバーやストレージ、ネットワークなどの仮想コンピューティングリソース当たりのコストは安くなる。その結果、さらなる自動化や新サービスへの投資余力を生みだせ競争力の強化につながる。

 AWSの例を挙げると、コンピュート、ストレージ、ネットワークなどのIaaS(Infrastructure as a Service)に加え、PaaS(Platform as a Service)の強化を進めている。データベースや、アプリケーション開発・実行環境、API(Application Program Interface)管理、データ分析、機械学習、CDN(Contents Delivery Network)、メディア配信、IoTなどだ(関連記事『止まらぬクラウドの進化、AWSとOpenStackが牽引役に』)。

 2016年8月に開催されたAWSの自社イベント「AWS Summit」では、運用の強化・効率化やセキュリティの強化とともに、アプリケーション開発・運用環境とビッグデータ関連の強化を強調している。IaaSのリーダーであることに加えて、PaaSのリーダーとしての位置を固めつつある。

 一方Microsoftも、Windows寄りのPaaSから、オープンソース技術を取り込む方針に切り替え機能面での拡張を続けている。クラウド事業者は今、PaaSへ開発の重点を移し、今回のテーマである「クラウドネイティブ」なアプリケーション開発・運用をサポートするための機能の充実を図っているのだ。

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