[河原潤のITストリーム]

DaaS―現実味を帯びてきた「デスクトップのクラウド化:第17回

2010年5月26日(水)河原 潤(IT Leaders編集委員/データセンター完全ガイド編集長)

 2005年頃にSaaSが登場して以来、「○○○ as a Service:サービスとしての○○○」というパターンの言い回しがさかんに使われるようになりました。時にマーケティング的要素を多分に含んだ使われ方もしますが、この言い回しは、クラウド・コンピューティングの構成要素について話すときに、どのレイヤを指しているのかが一目瞭然で便利なので、今ではクラウド関連用語としてすっかり定着しています。

 これから普及期を迎えようとしているSaaSと、進化の最中にあるPaaS/IaaS。それぞれのレイヤにおいて具体的なサービスが次々と登場し、○○○ as a Serviceという考え方がユーザー企業において徐々に浸透していきました。そして、これらに続く形で最近注目度を増している分野に「DaaS(Desktop as a Service)」があります。DaaSは、デスクトップ仮想化技術によって構築される仮想デスクトップ(クライアントPC)環境をクラウド・サービスとして利用する形態です。

 「サービスとしてのデスクトップ」「デスクトップのクラウド化」というDaaSのコンセプト自体はすでに2006年頃には語られていて、特に新しいものというわけではありません。ですが、2009年辺りからサービスを提供する事業者の数が増えており、また、クラウドに対するユーザー企業の理解が深まってきたことで、ここにきて現実味を帯びてきたように思います。

 DaaSは、ここ数年で性能や機能が大幅に進化し、活気づくデスクトップ仮想化製品市場の次なるステージと見られています。ユーザー企業は、VMware ViewやCitrix XenDesktop、Microsoft VDI(Virtual Desktop Infrastructure)といった主要なデスクトップ仮想化技術/製品を用いて構築された運用管理サービス込みのDaaSソリューションを、月額/従量課金型でDaaS事業者と契約し利用することになります。SaaSなどに比べると、現時点で選べるサービスの数はかなり少ないのですが、英国ツークラウドの「tuCloud」、米国デスクトーン(国内販売元:丸紅)の「VirtuaTop」、富士通の「ワークプレイス-LCMサービス」、日本IBMの「IBM Smart Business Desktop Cloud」といったDaaSが利用可能になっています。

 DaaSは、各ユーザーのデスクトップ環境を中央に集約することで、煩雑なクライアントPC運用管理の負荷/コストを軽減し、セキュリティ・レベルを引き上げるといったメリットをもたらしますが、その多くは、DaaSの一歩手前のステージであるオンプレミスでのデスクトップ仮想化においても享受可能です。

この記事の続きをお読みいただくには、
会員登録(無料)が必要です
登録済みの方はこちら

IT Leaders 雑誌版、電子版をご購読の方、会員登録済みの方は下記ボタンよりログインして続きをお読みください

初めての方はこちら

IT Leaders 会員になると
会員限定公開の記事を読むことができます
IT Leadersのメルマガを購読できます

バックナンバー
河原潤のITストリーム一覧へ
関連キーワード

VDI / シンクライアント / DaaS

関連記事

DaaS―現実味を帯びてきた「デスクトップのクラウド化:第17回 2005年頃にSaaSが登場して以来、「○○○ as a Service:サービスとしての○○○」というパターンの言い回しがさかんに使われるようになりました。時にマーケティング的要素を多分に含んだ使われ方もしますが、この言い回しは、クラウド・コンピューティングの構成要素について話すときに、どのレイヤを指しているのかが一目瞭然で便利なので、今ではクラウド関連用語としてすっかり定着しています。

PAGE TOP