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システム障害が示すこと

2012年2月29日(水)

NTTドコモやKDDIの回線障害、東京証券取引所やSMBC日興證券のシステム障害…。ここのところ、社会インフラやそれに近いシステムのトラブルが続いている。

技術的なものから人為的な面まで含めて原因は様々だ。その追及はさておき、この種のトラブルに対する世間の反応は、だいたい決まっている。「社会インフラでトラブルが起こっては困る。2度とこういうことがないようにお願いしていきたい」(川端達夫総務相)、「システム障害は金融機関としては基本的にはあってはならないこと。そこらへんはしっかり注視していきたい」(自見庄三郎 郵政改革・金融担当相)といったものが典型である。

だが本当に「あってはならない」ことであり、またこういった反応は今日においても正しいだろうか。障害をゼロにしようとすれば多大な費用がかかり、それは利用料金に跳ね返るか、その会社の国内外の同業他社に対する競争力に影響する可能性が高い。同じ社会インフラでも、電力のような地域独占と違って、通信や金融では利用者に選択肢があるから、我慢できなければ別のサービスを利用することも可能だ。

この意味で、監督官庁や政治家が口を出したり指導するのはもう止めるべきだし、利用者も障害が起こり得る前提で何らかの自衛策(回避策)をとる姿勢が求められるように思う。100%完成した状態ではなく、99%でOKとも思える欧米IT企業やネット企業の製品・サービスを見るにつけ、日本におけるシステム障害への対処や対策に「考え方の転換が必要」と感じる。

障害ではないが、もう1つ、IT関係者の間で話題になったのが、特許庁のシステムが開発中止になった1件である。経緯に触れると、このシステムは特許や実用新案など4つの知財に関する、出願の受付から審査、登録といった業務を支えるもの。現行システムは、(1)必要の都度、個別に開発されたシステムの集合体であり、制度改正時の改修になどにコストと時間がかかる(年間の運用費は150億円に及ぶ)、(2)マスターデータがサブシステムごとに個別管理されており、バッチ処理で整合性を確保している(一時的に整合がとれない状況が発生)、(3)システム全体が複雑でベンダーに運用保守を依存せざる得ない、といった問題を抱える。

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