第1回と第2回では、これからの課金システムを考えるために、導入が先行しているテレコム業界の課金システムの発展経緯と課題を紹介してきました。将来に向けて、あらゆる課題に効き目がある解決策を打ち出すことは、なかなかできません。今回からは、課金システムにおけるビッグデータの課題と、チャレンジについて考えていきます。
最近、通信サービス事業者(CSP:Communication Service Provider)やテレコム分野の技術ベンダーと話をすると、「ビッグデータ」というキーワードが必ず出てきます。ビッグデータは今や、どこのカンファレンスでも重要なテーマになっています。誰もが「ビッグデータで何をするのか?」「どんな計画があるか?」などに興味を持っているようです。
筆者のこれまでの専門家としての経験でも、このような全く新しい可能性を目にするのは初めてのことです。周囲がこんなに盛り上がっていることもありませんでした。データ量が絶えず増加しており、さらに増加していくことは、誰も疑ってはいません。
しかし、ビッグデータが必要であるとは誰もが感じてはいるものの、ビッグデータの存在は漠然としており、手がかりがありません。何に関するデータがどう広がり、何が起ころうとしているかまでを詳しく分かっている人はほとんどいないのです。そのため企業側も、どうすればビッグデータから利益を生み出せるのかという課題に戸惑っているのです。
ビッグデータを無視すれば市場では負け組に
「ビッグデータ」という言葉は、一部の人々が“普通のデータ量”と“膨大なデータ量”を区別するために作り出したものです。この記事では「ビッグデータ」が意味するところを次のように定義することにします。
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