[松岡功が選ぶ“見逃せない”ニュース]

2017年9月の3本:AWSとセールスフォースがコンタクトセンタービジネスで協業/富士通研究所が「説明可能なAI」を開発/米アップルが「iPhone X」を発表

2017年10月6日(金)松岡 功(ジャーナリスト)

2017年9月のニュースから松岡功が選んだのは、「AWSとセールスフォースがコンタクトセンタービジネスで協業」「富士通研究所が『説明可能なAI』技術を開発」「米アップルがスマホの最新モデル『iPhone X』を発表」の3本である。

AWSとセールスフォースがコンタクトセンタービジネスで協業

 アマゾンウェブサービスジャパン(AWS)とセールスフォース・ドットコムが2017年9月19日、両社のサービスを連携させたクラウドベースのコンタクトセンターソリューションを国内で提供開始すると発表した。両社のサービスとはAWSの「Amazon Connect」とセールスフォースの「Salesforce Service Cloud」で、これらを連携させたコンタクトセンターソリューションの基本は、米国本社同士が今年3月に発表したものだ。

会見を行ったアマゾンウェブサービスジャパンの岡嵜禎技術本部長(右)とセールスフォース・ドットコムの御代茂樹プロダクトマーケティングシニアディレクター

 AWSが同日開いた記者会見では、同社の岡嵜禎技術本部長とセールスフォースの御代茂樹プロダクトマーケティングシニアディレクターが揃って説明に立ち、「Amazon.comのコンタクトセンターで培われたテクノロジーであるAmazon Connectと、業界をリードするCRMプラットフォームであるSalesforce Service Cloudを連携させた完全な顧客サービスソリューションを提供したい」と語った。

[選択理由]

 両社の協業がコンタクトセンタービジネスに大きな変革をもたらす可能性があるからだ。なぜならば、コンタクトセンターの設置にこれまでかかっていた費用やコスト、時間を大幅に低減できるうえ、スケーラビリティやシステムの信頼性も確保できるようになるからだ。つまり、コンタクトセンターの構築・運用にクラウドサービスのメリットを存分に生かせるようになったわけである。

 このソリューションの想定ユースケースとして、岡嵜氏は「従来のコールセンターのリプレース」「社内ヘルプデスクの利用」「マーケティングや一時的なシート数増強」「業界固有の作り込みと自動対応」などを挙げた。また、御代氏も「コンタクトセンター業務をBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスとして展開する企業も増えてくるのではないか」と語った。

 さらに、これまでコンタクトセンターの利用とは無縁だった中堅・中小企業が、今回のソリューションを機に顧客とのリレーションを真剣に考えるきっかけになる可能性もあるのではないか。コンタクトセンターの仕組み作りが身近になってきたことを象徴する動きである。

富士通研究所が「説明可能なAI」技術を開発

 富士通研究所が2017年9月20日、人やモノのつながりを表現するグラフ構造のデータを学習する同社独自の人工知能(AI)技術「Deep Tensor(ディープテンソル)」と、学術文献など専門的な知識を蓄積したナレッジグラフと呼ばれるグラフ構造の知識ベースを関連付けることにより、大量のデータを学習させたAIの推定結果から推定理由や学術的な根拠を提示する技術を開発したと発表した。

 この技術開発の背景として、同社では「ディープラーニングなどの機械学習技術の活用が広がる一方で、これらの技術は推定結果が得られた理由を人間が検証することが困難なため、AIを使った専門家の判断に関して説明責任が問われる医療や金融などのミッションクリティカルな領域などへの適用に課題があった」という。

 それに対し、新技術では、AIの推定結果に対する理由や根拠として得られた学術文献などの専門的な知識をもとに、専門家がAIの推定結果が信頼に値するかを確認できるとともに、得られた結果を手がかりに新しい知見を得ることができるようになるなど、専門家がAIと協調して問題解決する世界が実現するとしている。

 この新技術は、Deep Tensorが2017年度内に富士通のAI技術群「Human Centric AI Zinrai(ジンライ)」にて実用化されるのに続き、2018年度内に同様の形で実用化される予定だ。(図)

(図)富士通研究所が開発した「説明可能なAI」の展示説明
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