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[データマネジメント2018]

再び脚光を集める「データHUB」──基盤構築のポイントは仮想データ統合にあり

2018年4月10日(火)

事業の多角化やグローバル化が進む中で、システムは分散化し、データ活用を妨げるようになった。そんな中あらためて注目を集めるようになったのがデータHUBだ。背景には、単に分散したデータを統合するだけでなく、ビジネスのスピードに俊敏に追随できるようにしたいというニーズがある。「データマネジメント2018」のセッションでは、豆蔵の技術コンサルティング事業部 執行役員 渡辺信爾氏が、そんな新しいデータHUB構築のポイントを紹介した。

複雑化が進むシステムとデータ処理の課題を解決する「仮想データ統合」

株式会社豆蔵 技術コンサルティング事業部 執行役員 渡辺信爾氏

 分散したデータを統合するための「データHUB」は、データ活用において長年議論されてきたテーマだ。データHUBを構築する目的は、いくつかに分かれたデータを統合して集約・集計し、活用したいデータをユーザーにすみやかに提供することにある。さまざまなシステムを疎結合で結びつけるためのアーキテクチャを備えることにより、投資を保護しながら、変化への対応力をつけられることが大きな特徴だ。

 豆蔵の技術コンサルティング事業部 執行役員 渡辺信爾氏は、事業のグローバル化やM&Aによる事業規模の拡大、新しいビジネス展開の拡大などにともなって、このデータHUBに再び注目が集まり出したと指摘する。

 「システムやデータが増えたことで、データを活用するための作業が複雑化しました。一方、自社のデータを物理的に統合し一元的に管理できているのはごく少数です。そうしたなか、システムの運用管理を効率化し、BIなどを使った新しいデータ活用を促す有効な手段として、データを仮想的に統合できるデータHUBに期待が集まるようになったのです」(渡辺氏)。

データHUBの成り立ちと課題への役割
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 データHUBは、異なるシステムに存在しているデータを物理的に統合せずに、目的別に集約・保持することが可能だ。ただ、その際には、データベースや項目名称、データ項目仕様の違いを吸収する仕組みが必要になる。また、同じ項目でもコードや中身が違う場合に差異を吸収する仕組みが必要だ。これは言い換えると、データHUBは、単にシステムやデータをつなぐだけでなく、マスターデータの統合管理やトランザクションの統合管理を行う機能とアーキテクチャを備える必要があるということだ。

HUB共有の内容設計
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 こうしたデータ統合HUBを構築するために豆蔵が提供しているのが仮想データ統合ソリューション「AGRA Vシリーズ」だ。AGRA Vシリーズは、「データフェデレーションプラットフォーム Agra VDF」と「データクレンジング/名寄せツール Agra VIQ」で構成するソリューションだ。ERP、BI、ETLといった既存ツールとは異なる仮想技術を使ってデータ統合を実現している。

 「人の考えでデータをつなぐ“論物三層構造”をベースに、セマンティックやオントロジーといった先進技術を活用して、仮想的なデータ統合を実現しています。データベースやネットワークなどの既存のシステムやオペレーションの変更は不要で、短期間、低コストでの導入ができます」(渡辺氏)。

データ移行、グローバルデータ統合、データ評価で活用されるAGRA

 論物三層構造とは、物理データ定義層、マッピング層、ビジネスコンセプトモデル層という3つの層で、実データと仮想情報体系とを関係づけるAGRA独自のデータ管理の仕組みだ。具体的には、物理データ定義層で、ソースとなるデータベースの設定やファイルの設定を実施。ビジネスコンセプトモデル層でビジネスオントロジー(ビジネス用語の辞書やビジネス概念の意味を整理したもの)を作成。これらをマッピング層で結びつけるという構造だ。

 「仮想データ統合でありながら、実データにダイレクトにアプローチできたり、専門スキルが一切不要でGUI操作でデータソースと仮想情報体系を定義できたりすることが特徴です。データ移行、グローバルデータ統合、データ評価などで活用されています」(渡辺氏)。

 例えば、ある製造業では、製造と販売を管理するエンタープライズシステムと、工場製造システムの情報をAGRAで統合し、意思決定のスピード化と効率化につなげている。また、ある人材サービス業では、人材データを管理するシステムと、企業データを管理するシステムを統合し、人材マッチング支援やキャリア提案支援に生かしている。

 従来、こうした大規模なシステム連携によるデータ統合を行うには、大規模なDWHなどを構築する必要があった。だが、AGRAは既存システムに手を加えることなく、こうした統合が可能だ。全国にまたがわる複数事業所のデータを集約したり、国や地域をまたがるデータのグローバルで統合したりすることもできる。

 全社レベルではなく、部門単位での活用も多い。例えば、プロジェクト管理において、取引先情報や契約データ、品質データ、リソースなど各部署に保有されている情報を関係づけ、抽出、照会、分析を行うことができる。また、消費者行動を分析するために、購買履歴やポイント利用履歴、コンタクト履歴などをAGRAで統合し、消費行動予測や販促キャンペーンやクレーム対応などに役立てている企業もある。

データHUBの課題
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 AGRAは今後「スマートデータレイク」という機能アップデートを施して、さらなるデータ統合ニーズに応えていく予定だという。最後に渡辺氏は「物理データ統合と仮想データ統合は共存させ、ニーズに応じたデータ提供をしていくことが重要です」と訴えた。

次期AGRAのコンセプト機能「スマートデータレイク」
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●お問い合わせ先

株式会社豆蔵
URL: https://www.mamezou.com
TEL:03-5339-2114

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