[市場動向]

2025年の崖目前、レガシーから脱却しDXに舵を切る─「攻めのIT経営銘柄2019」選定企業が発表

2019年4月25日(木)奥平 等(ITジャーナリスト/コンセプト・プランナー)

経済産業省と東京証券取引所は2019年4月23日、「攻めのIT経営銘柄2019」および「IT経営注目企業2019」を発表した。今回で5回目となる同プログラムは、東証上場企業を対象に、中長期的な企業価値向上や競争力強化などの観点から、経営革新に資するIT活用に取り組む企業を選定するもの。本稿では同日に都内で開かれた発表会の模様をお伝えする。

 積極的なIT投資・活用が好調な業績につながり、株価などで示される企業価値を高める──そうした考えの下、経済産業省と東京証券取引所が始めた「攻めのIT経営銘柄」プログラム。今年は「攻めのIT経営銘柄2019」として29社、「IT経営注目企業2019」として20社が選定された(写真1)。

写真1:攻めのIT経営銘柄2019発表会に参加した選出企業

 前年の模様はこちらを参照されたい(関連記事経済産業省と東京証券取引所、「攻めのIT経営銘柄2018」を発表IoT投資支援策「コネクテッド・インダストリーズ税制」とは)。

 2019年度の最大の特徴は、経産省が2019年12月に発表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)推進ガイドライン」に基づき、経営層の強いコミットの下でDXを推進する企業を高く評価している点だ。その一環として、初めて「DXグランプリ企業(1社)」を設定。ANAホールディングスが初代のグランプリに選ばれている。

「2025年の崖」からの脱却を図る企業を選出

写真2:経済産業省 内閣府副大臣兼経済産業副大臣の磯崎仁彦氏

 発表会は、経済産業省 内閣府副大臣兼経済産業副大臣の磯崎仁彦氏(写真2)と、東京証券取引所執行役員の川井洋毅氏の主催者挨拶から始まり、「攻めのIT経営委員会」委員の紹介、経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長の中野剛志氏が、本プログラムの説明を行った。

 このプログラムのポイントはやはりDXの実現アプローチとして、コスト削減や業務効率化といった「守りのIT経営」から、競争力強化や企業価値の向上を目的とした「攻めのIT経営」への転換を促すことにある。経産省はDXの定義を、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」としている。

 ご存じのとおり現在はIoT、ビッグデータ、AIといった先進テクノロジーの急速な発展により、産業構造やビジネスモデルがかつてないスピードで変革する時代を迎えている。中野氏は、大転換期において日本企業が厳しい国際競争を勝ち抜いていくうえでのDXの重要性と、その阻害要因、障壁として情報システムのレガシー化への早急なクローズアップを訴えた。この問題意識は、同省が2018年9月に発表した「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服」(図1)で示すとおりで、踏まえて、2025年の崖から脱却を図り、DXへの道を歩み始めている「ベストプラクティス」として今回の選定企業を高く評価した。

図1:2025年の崖(出典:経済産業省「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服」)
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●Next:攻めのIT経営銘柄の審査プロセスと今年の選定企業

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