[真のグローバルリーダーになるために]

【第19回】凡そ戦いは、正を以て合(がつ)し、奇を以て勝つ

2015年10月2日(金)海野 惠一(スウィングバイ代表取締役社長)

香港での交通カードシステム刷新という大型案件。競合する北京鳳凰に対抗するための戦略を日本ITCソリューション課長の佐々木と、香港支社副社長の森山は、孫子の兵法に沿って練っていた。交中国の大手IT企業、北京鳳凰と競うことになった香港の交通カードシステムの刷新案件。日本ITCソリューション課長の佐々木と香港支社副社長の森山は、北京鳳凰の蘇総経理との面談を前に、孫子の兵法に沿って戦略を練っていた。交渉を有利に進めるためには、勝つための計画を導く机上作戦が重要だった。特に孫子の兵法の計篇の冒頭にある「五事」によれば、北京鳳凰の蘇総経理に、どのようにして胸襟を開かせ、どう信頼を得るか、そのためのきっかけ作りが必要だった。

 北京鳳凰の蘇総経理の趣味や関心事について、森山が「いや知りません。彼はアメリカに留学していたということ程度です」と答えたのに対し、佐々木が応じた。

 「そうですか。でも少なくともアメリカのことには関心を持っていそうですね。話の切り出しとしては、中国の話よりもアメリカの話題のほうがいいかもしれません。来週はアメリカに行くと言っていましたから、きっと、ITに絡んだ話題にも関心を持ちそうですね。

 ただ、我々は彼が関心を持っている対象について、そもそも参考になる情報を持っていないかもしれないということも考えておく必要があります。下手にアメリカのITが、どうこうと言う話を始めたら、逆に“釈迦に説法”で会話にもならないかもしれません。

 だとすれば、山下塾でいつも議論しているアメリカの政治・経済・外交あたりの話をしたほうが関心を示す可能性もあります。彼らは我々日本人の行動パターンを知っていますから、そんなアメリカの話題など出しっこないと思っているに違いありません。まずは直接、我々の交渉事とは違うテーマを探して話を始める必要があります。蘇総経理が、どういう人物であるのかを探るためです。それで彼の反応を見てから、どう切り出せば良いかを判断したいと思います」

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