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NFVが胎動し始めた通信業界に見る「スケールするインフラ」に必要な条件

ネットワーク仮想化にも力を注ぐRed Hatの優位性

2017年6月20日(火)

Software-DefinedのアプローチでIT基盤の柔軟性や機動力を究めていく──。このコンセプトはネットワークにも広がり、通信業界では今まさにプロプライエタリからオープンへという地殻変動が起こりつつある。“OSS×エンタープライズ”にコミットするRed Hatの独自の取り組みは、NFV(Network Function Virtualization)」の領域でも大きく注目され始めた。

 “仮想化”という言葉を聞いて、多くの人々が真っ先に思い深べるのはおそらくサーバー仮想化ではないだろうか。だが、仮想化の対象となるのはもちろんこれだけではない。仮想化技術を中核とするクラウドコンピューティングがIT基盤のメインストリームになるに従い、ネットワークの仮想化がクラウドのスケーラビリティを左右することに多くの企業が気付き始めた。特に通信業界ではネットワーク仮想化への動きがここ1、2年にかけて活性化しており、多くのユースケースが発表されている。

 本稿ではネットワーク仮想化におけるメイン技術「NFV(Network Function Virtualization)」の動向とその可能性について、NFVの普及を推進するRed Hatのエグゼクティブバイスプレジデント兼CMOのティム・イェートン(Tim Yeaton)氏に話を伺った。NFVが切り拓こうとしている“スケールするネットワークインフラ”の実像に迫ってみたい。

デジタル変革の常識となるアジャイル開発とクラウド

 前述したように、通信業界ではここ1、2年、NFVに取り組む企業が非常に増えており、VerizonやNTTドコモなど、グローバル大手が積極的にNFVへの投資を重ねている。この背景には「デジタルトランスフォーメーションというトレンドの存在が大きい」とイェートン氏は語る。

 最先端のITのパワーを起点とし、圧倒的な競争力を備えたビジネスを創り出す変革の取り組みがデジタルトランスフォーメーションだ。UberやAirbnbといった新興勢力のみならず、GEといった既存の大手も含め、テクノロジーの進化で広がることとなった眼前の可能性を我先に追求する動きが加速している。これらの企業によるチャレンジが、これまでの業界の常識を一変、というよりは破壊するほどのインパクトを持つことは多くが知るところである。

Red Hat, Inc. エグゼクティブバイスプレジデント 兼 CMO (ティム・イエートン(Tim Yeaton)氏

 ではデジタルトランスフォーメーションを支えるテクノロジーとはどんなものなのか。先頭集団を走る企業に目を向けると、アプリケーションの開発手法にDevOpsやアジャイルを採用し、そのアプリケーションを動かすインフラとしてはクラウドに軸足を置いているのが特徴だ。刻々と変化するビジネス側のニーズに迅速かつ柔軟に対応していくには、アジャイルな開発アプローチとインフラリソースをスケールしやすいクラウドの存在が欠かせないとの考えが常識になっていることの証左といえよう。「いかに速く、そしていかにイノベーティブなアプリケーションをビジネスに届けていくのか──。これは業界を問わず、IT部門にとっての非常に重要な課題となっている」(イェートン氏)。

 もっとも、こと通信業界に限っていえば、デジタルトランスフォーメーションに突き進みにくい要因、換言すれば、ビジネスの変化に迅速かつ柔軟に対応するアプリケーションとインフラを提供しにくい事情があった。そこかしこに、レガシーハードウェアが行き渡ってしまっているという現実である。

 通信ビジネスにはパケット交換機や音声交換機、あるいはCDNやDPI、各種のルーターといった機器が欠かせず、これまでの経緯として、それに特化したものが採用され普及してきた。パケット交換機の上で動くソフトウェアはその上でしか動かない。その他の機器も同様だ。専用のハードと専用のソフトがタイトに結び付いているので、ビジネスの変化に応じたアジリティをインフラに求めることが他の業界に較べて非常に難しいとされてきた。

専用機器で構成されていた業界に“黒船”来襲

 だが、そうした通信業界に“黒船”的な存在が現れた。Google、Facebook、Instagramといった、膨大なコンシューマのニーズに応え続けている、それこそデジタルトランスフォーメーションを地で行くサービスプロバイダの面々が、通信業界の新たなプレーヤーとして名乗りを上げてきたのだ。「GoogleやFacebookが登場したことで、通信業界はこれまでの常識とは異なるビジネスモデルを突き付けられただけでなく、何もせずにいれば彼らに利益の多くを奪われてしまうことに気付かされた」とイェートン氏は指摘する。

図1 NFVへの進化
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 もし、通信業界が通信キャリアとネットワーク通信機器プロバイダ(NEP)といった限られたメンバーだけで構成されていた業界のままであれば、デジタルトランスフォーメーションへの動きもゆっくりだったかもしれない。だがGoogleやFacebookは日々、アプリケーションをアップデートし、そのデプロイの頻度はエンタープライズの比ではない。さらに、増え続けるユーザーをサポートするため、劇的なスピードでインフラをスケールさせる。それはネットワークに関しても同様で、彼らのアップデートの要求にハードウェアベンダーやNEPがついてこれないのであれば、自らルーターやスイッチを開発できるだけの技術力さえも擁している。

 通信業界の既存の常識が通用しないこうした新興勢力と互角に勝負していくには、通信ビジネスの基盤となる通信インフラを“無限にスケールする”ものに変えていく必要がある。専用ハードへの依存度を抑え、ソフト主体に切り換えていかなくては負けてしまう──。そう気付いた通信業界の企業は「かなり短い期間でNFVやSDN(Software-Defined Network)への傾倒を深めていった」とイェートン氏。特に、NFVのコンセプトである「スイッチやルーターなどの機能を仮想化し、VM(仮想マシン)上に柔軟に実装していく」というアプローチは、通信インフラのアジリティを高めるだけでなく、通信業界全体のデジタルトランスフォーメーションを進めていく上でも重要なファクタとなっている。

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