[株価から見るIT企業の強みと弱み]

金融危機で株価低迷 業績浮上のタイミングがカギを握る  [野村総合研究所(証券コード 4307)]

2008年12月22日(月)

グローバル金融危機のあおりを受けて、世界中の株価が暴落している。日本では、9月まで1万円を超えていた日経平均が10月末に7000円を割る展開に。筆者がウオッチしているIT企業でも、業績が堅調にもかかわらず2日間連続ストップ安になるなど、株価と業績が連動していないケースが多い。ファンダメンタルズ(企業業績)と株価に大幅な乖離があるときこそ、投資のチャンスと言えるが、底が見えない今は動きづらい。 野村総合研究所(NRI)も、10月に入ってから大きく売られている会社の一つである。証券分野を主力とするだけに、金融危機が続く現時点ではある意味当然だが、いずれ業績が底打ちし、株価が浮上するタイミングが来ると見ていい。同社の業績動向について、企業分析という観点から追ってみよう。

売上高とコスト分析が着眼点

企業分析における着目点は2つ。(1)売上高分析=顧客ごと、および開発や販売など事業セグメント別の売上推移と今後のトレンド、(2)コスト分析=販管費などコストの推移や今後のトレンド、である。本業の利益を表す営業利益は、売上高−(売上原価+販管費)なので、売上とコストを予想できれば、将来的な利益もある程度予測できる。

まず売上高を見てみよう。図1に示した売上高の前期(08年3月期)と今期(09年3月期予想)との最大の変化は、全社売上高に締める証券業向け比率が、−5%近くと大幅に減少することである(44.4%→39.8%)。主な要因はサブプライム問題に始まった証券会社の業績悪化に伴うIT投資削減によるものだ。

図1 野村総研  業種別売上高推移(単位:百万円)

NRIの場合、(1)野村証券のシステム部門である野村電子計算センターを母体として設立されており、主要顧客は野村ホールディングスである、(2)野村証券の証券システムを中堅中小証券向けにパッケージ・ASP形式で横展開しており、この事業は日本における証券バックオフィス・システム市場の約40%を占める、といった事情がある。結果として売上比率に占める証券業向けの割合が40−45%に達し、証券会社のIT投資抑制は同社の業績へ大きな影響を与える。

運用管理事業が収益に貢献

このことはNRIと同程度の売上規模(3500億円程度)である伊藤忠テクノソリューションズやITホールディングス(TISとインテック)の売り上げ構成をみるとよく分かる。両社とも証券会社向けの売上は10%以下。ここが落ち込んだとしてもNRIほど大きな影響を受けない。

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