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「セクシープロジェクトで差をつけろ!」他2冊 (AIG 黒川 洋一)

2008年12月22日(月)

8年ほど前、そのころ勤務していた大手生保で大規模なシステム統合がありましてね。私が担当していたシステムが廃止されてしまったんですよ。それで、顧客企業の業務改革やシステム企画を支援する新規事業を立ち上げることになった。この事業で最初に受注したのが、ある在京企業の業務分析でした。もともと大阪勤務でしたから、正式に転勤するまで1年ほどは毎日、その客先まで飛行機で通勤していました。伊丹空港まで自転車で5分のところに住んでいたので、新幹線より飛行機のほうが便利だったんですよ。

セクシープロジェクトで差をつけろ!
セクシープロジェクトで差をつけろ!
トム・ピーターズ 著、仁平 和夫 訳
TBSブリタニカ(旧阪急コミュニケーションズ)
ISBN:978-4484003122
1365円(税込)

外に飛び出してみて初めて、「自分がやってきたことには価値がある」と実感しました。社内向けのシステムを担当しているころは、正直なところ「この仕事はつまらない。報われない」と思っていました。ユーザーにとって、システム担当者がシステムを企画したり構築したりするのは当たり前。私たちのスキルやノウハウが評価されることはほとんどなかったのですから。ところが、同じシステム業務でも社外向けのビジネスとなると、全く事情が違う。スキルやノウハウに対して正当な対価を受け取れるんです。

ちょうどこのころ、伊丹空港の売店で「セクシープロジェクトで差をつけろ!」(トム・ピーターズ著)を見つけました。「枠を取っ払う」「叩けよ、されば開かれん」など、「ものすごいプロジェクト」を実現するための50項目を挙げているんですが、「仕事に対するスタンスを変えれば、つまらない仕事も面白くなる」というテーマが当時の心境とぴったり重なってね。一気に読み終えました。ちなみに、この本は同じ著者の3連作のなかの1冊です。ほかの2冊もためになりますよ。

その後転職し、現在はAIGに勤めています。ずっと金融の世界に身を置いていますが、最近つくづく思うのは他業種の話ほど参考になるということです。その意味で、「ものづくり経営学」(藤本隆宏著)は非常に刺激的な1冊です。この本を読むと、日本の製造業の強みがよく分かりますよ。「開発業務は設計情報の創造、生産業務は設計情報の転写である」という考え方はシンプルながら示唆に富んでいます。金融系システムと製造系システムの思想の違いについて考えながら、じっくり読み進めているところです。自分自身で、読むのはそんなに遅いほうではないと思うのですが、この本は別ですね。中身が濃いので、数ページ読むだけで満足感があるんですよ。

夏目漱石の「こゝろ」とは長い付き合いです。中学生のとき、国語の先生に読まされたのが最初でした。それ以来、その先生の言いつけを守って10年ごとに読み返しています。実家に置いてきてしまったり紛失したりで、手元にあるのは3冊目。角川文庫版です。読むたびに解釈や感じ方が変わる作品ですね。主人公はなぜああいう行動をとったのかとか、主人公と“先生”の関係性とかね。どの登場人物に感情移入するかも、年齢とともに変わってきました。不思議なものです。

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