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日本でいちばん大切にしたい会社 他2冊(東京海上日動火災 牧野 司)

2009年7月27日(月)

今年2月、鹿児島県阿久根市にあるAZスーパーセンター・マキオを見学しました。そこで驚いたのは、品ぞろえです。しょうゆだけで200種類以上置いてあるんですよ。仏壇や自動車、トカゲまで販売しています。圧倒的な品ぞろえの理由は、「お客さんがそうしてほしいと言うから」。お客さん第一で、棚効率や在庫回転率なんて考えていない。それでいて、増収増益を続けていると言います。

日本でいちばん大切にしたい会社 日本でいちばん大切にしたい会社
坂本 光司 著
ISBN:978-4860632489
あさ出版
1470円

このスーパーに衝撃を受け、こういう会社がほかにもあるか調べたところ、「日本でいちばん大切にしたい会社」を見つけました。この本は、社員の7割が障害者というチョークのメーカーや、島根県の山奥にあるのに世界中から注文が舞い込む義手・義足メーカーなどを紹介しています。驚いたのは、どの会社も社員やその家族、顧客の幸せを最優先していること。業務効率や会社の時価総額なんて二の次なのに、毎年きちんと利益を上げている。

同書を読んで、米国企業のように短期的な株主利益ばかり追求する経営姿勢って本当に正解なんだろうか、と感じました。もちろん、事業資金を提供してくれる株主は大切にすべきです。でも、あまりにもガツガツした利潤追求は、長い目で見れば会社の成長力を弱めてしまうでしょう。第一、朝起きて「さあ、今日も株主のために働くぞ!」と思う人はいませんよね(笑)。

こういう話をすると「理想論だよ」とか「資本主義の世の中、そんなきれいごとではやっていけない」という人がいます。でも、それはちょっと違うんじゃないかな。理想は諦めるものではなく、追い求めるものです。実際、社会のために役立つ企業経営を資本主義の枠組みの中で可能にしようと考えている人はいます。その1人、シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストである原丈人氏は「21世紀の国富論」で、中長期的な企業育成を目的とした新たな株式市場の創設を提案しています。短期的利益の獲得に奔走する企業ではなく、社会に貢献する企業が評価される仕組みを、資本主義の市場原理を使って作ろうというわけ。すごいことを考える人もいるものです。

奇跡のリンゴ」は、農薬や肥料を使わないリンゴ栽培を成功させた木村秋則氏を主人公にしたノンフィクションです。従来、無肥料・無農薬のリンゴの栽培は絶対に不可能とされていました。確かに、木村さんのリンゴの木は数年間、全く実をつけなかった。ただそれは、長年にわたる農薬漬けによってリンゴの木の生命力が弱っていたからなんです。肥料と農薬をやめてから8年後、リンゴは再び実をつけるようになった。長い時間をかけて、本来の生命力を取り戻したんですね。

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