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日本人の誇り—オリンパス 鈴木 均氏が選ぶ1冊

2011年7月28日(木)

3年前から、ある勉強会に参加しています。毎月3〜4冊の課題図書を読み、バーで一杯やりながら議論するという集まりです。会合にはあまり参加できていませんが、課題図書はできる限り読むようにしています。最近は、「日本人の誇り」を読みました。

日本人の誇り日本人の誇り
藤原正彦 著
ISBN:978-4166608041
文藝春秋
819円

明治以降の歴史を見直し、太平洋戦争はなぜ起きたのかを問い直す良書です。日本が戦争に突入していく過程や、戦後に米国がとった対日戦略をつぶさに描いています。日本は最後まで戦争を回避する道を模索していた。ところが、米国は在米資産の凍結や石油の輸出禁止といった策により、日本から開戦以外の選択肢を奪った。著者は、読み手にそんな事実を突きつけます。

びっくりしたのは、「罪意識扶植計画」に関する記述です。GHQは戦後、日本の学校教育を巧みに操作して「戦時中、大量虐殺を行った」「侵略戦争だった」という意識を植え付けたというんですよ。その結果、日本人は愛国心を持てなくなったと。思い起こせば、2010年に起きた尖閣諸島沖の衝突事件。政府はなぜ、「土下座外交」と揶揄される対応をとったのか。不思議でならなかった。同書を読んで、そんな疑問に一定の解を得られた気がします。

もちろん、日本側からの言い分だけでは偏りがあるかもしれません。そこで、太平洋戦争については、GHQの職員だった米国人女性が書いた「アメリカの鏡・日本」もおすすめします。こちらもやはり、経済封鎖を受けた日本が自衛のための戦争を余儀なくされたという見解を示しています。実はこの本、1949年の出版当時、ダグラス・マッカーサーが日本での翻訳出版を禁じたといういわくつきです。

日米両サイドからの言論を読み合わせると、「このへんが真実だろう」というところが見えてきます。残念なことに、学校ではこうした日本の近代史をきちんと教えないんですよね。「真珠湾攻撃」「東京裁判」など、断片的な事象を列挙するだけ。近代日本の外交は、ペリー来航からの連続で考えなければ正しく理解できないはずなのに、そこがなおざりにされている。もっと長いスパンで、歴史を流れとして見直さなければ、「日本人だ」と堂々と胸を張れるようになれないんじゃないかな。そんなふうに感じています。

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